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管理人:とれふる
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TINAMI
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神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。
ご意見・ご要望があれば studiotrefle0510☆gmail.com の方まで、☆を@に変換してお気軽にどうぞ。
鮎川天理さんからの求婚もお待ちしています。
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神のみぞ知るセカイに登場するヒロイン、生駒みなみの夏を描いたSSです。
一応、原作のみなみ編を【再読推奨】ということで……目に通す、もしくは頭の中で思い出してみてください。えー手元にないよーという方もお気軽にどうぞ。
みなみに恋するお話です。

一応、原作のみなみ編を【再読推奨】ということで……目に通す、もしくは頭の中で思い出してみてください。えー手元にないよーという方もお気軽にどうぞ。
みなみに恋するお話です。
なつのまぼろし【前編】
せまいうみ
七月。
夏が始まりかけたその日。
何の変哲もなかったその日。
少しずつ動いていく世界をぼんやりと眺め、遷移していく日常を寝転がった背中で感じながら、その日も時は流れていった。波のようにゆらゆらと、あてもなく、それでも退屈にならないくらいに―――揺れ続けていた。しかしその日常に、大きな異変が訪れることはなかった。波が来ているのだから海なのだろうけれど、僕がいるそこは、どうしようもないくらい狭い海だったからだ。開拓する力もない、権利もない、方法も知らない。平等に広がる空だけを見上げて、今日もゆっくりと世界の波に揺られている僕にとって、漫画でよくあるフィクションストーリーなど、起きるはずもなかった。空から女の子?落ちてくるか、そんなもの。
それでも。
僕の日々は平穏とは程遠いものだった。波の小ささなど、海の狭さなど微塵の意味も成さないような用件が、頭の中をいつも占領していたからだ。不条理を投げつけてくる大人でも、強引極まりない世界でもなく、心を蝕み続けてくるもの。
掴んで離さないもの。
それに僕は手を焼いているのだ。
その一番の要因は、幸か不幸かが不鮮明だということだろう。その事件は精神をグラグラと揺らし、心を傷つけてくるやっかいなものだった。しかし人はそれを尊重し、崇め、欲する。そこには尊い奇跡が存在し、誰もがそれを求めるからだ。
ふざけるなと。
言いたい。
当の本人である僕は、こうして胸が痛いだけなのだから。
焼けるように痛いだけなのだから。
夏の日差しのせいかもしれない。
そう思っていた今年の夏、僕は見た。誰もが崇める奇跡に近いものを間近で感じ取った。幸か不幸かは分からない。それでもただ一つ言えることは、この夏は僕にとって、忘れられない夏になるだろうということだけだ。
片想い。
片想いの話をしよう。
夏の日差しの照り返しなのか、水面に映った何かなのかは分からない。しかし僕は確かに手に取り、それを見たのだ。
あの日の。
夏の幻を。
1
「こうとしかならない」
七月が始まりを告げたその日、僕は、女子更衣室の中にいた。おっと―――言うまでもないが変態ではない。かといって今時流行りの男装女子でもボクッ娘でもない。ただ、連絡用紙を掲示しに来ただけなのだ。
当然、他に人はいない。このまま穴の開いたダンボールに隠れるつもりでもない。そして何より、別段心を躍らせているわけでもない。舞島学園中等部の水泳部副長として課せられた、いつもの責務を果たしているだけなのだ。
「舞島学園中等部水泳部 県体育大会出場メンバー表」
セロハンテープで四隅を窓に貼り付けながら、僕はその表に目をやる。七月の中旬にある水泳大会のメンバー表であり、定期的に測定したタイムを基準として水泳部顧問が決定した「レギュラー」、そしてその「補欠」が綺麗に整列された状態で印字されていた。
女子の更衣室に貼ってはあるものの、男女共の選抜結果が掲載されていて、僕は自分の名前を目で追って改めてため息を吐いた。
第三補欠。
まあ、分かっていたことだけども。
副部長という役職に就いてはいるが、実力は見事に伴っていない。部長というものは実力やセンス、人としての魅力も含めて選ばれるものだが、副部長なんてのはもはや、ヒマな人間に与えられる役職だ。現に副部長の僕は、雑務を担当されたりして、どちらかというとマネージャーに近い存在である。ま、バカにされたりすることは全くないから、居心地はすごくいいのだけど。
才能ほしいなあと。思ったりもする。
しかし、テンションが下がることばかりではなかった。紙の下方に目をやると、そこには上方の男子と同じパターンで女子の結果が掲載されている。僕の名前が乗っている100mFrの第三補欠……そことまったく同じ役職に選ばれた人の名前を見て、僕は子供のように純粋な目をして笑みをこぼした。
生駒みなみ。
そこにはそう書かれていた。
……だからといって、なにがどうということもない。イベントが発生するわけでもない。それでも僕は、自分と生駒が同じ縦線でつなげることができるというこの状況に、意味もなく喜んでしまうのだ。分かりやすく言えば、席替えをして席が隣になった……の1レベル低下したバージョンのようなもの。誕生日が同じだった、みたいな。
一方的に、運命を感じてしまうのである。
分かっている。子供っぽいということは分かっていても、僕にとっては子供に逆戻りしてもいいくらいの幸せな出来事だったのだ。この用紙は余計にコピーして、部屋の机の前に貼っておこう。そうしよう。
僕が首をひねって紙が斜めに貼り付けられていないかを確認していると、突然女子更衣室のドアが開く音がした。僕は一瞬で身を翻し、身構える。変態じゃないですよ副部長ですよ、と言う準備はすでにできていた。
開いたドアから、二人の人影が足を踏み入れてくる。僕は何かを言われるよりも先に反抗した。
「ごめんなさい……」
謝っていた。
堅実かもしれない。
両手を挙げて降参体勢の僕を見て、入ってきた女子は怪訝そうな表情をした。改めて見てみると、なんだ、斉藤か。
「なにやってんだー、お前」
「なにって、副部長の仕事だよ。メンバー表、発表になったから」
「おーホントだホントだ!」
そう言って、斉藤は僕の横を通って張り出された紙を目を細めながら眺めた。
「だぁーやっぱり代表はコバかぁーくそー!なんだあいつ!」
「なんだってなんだよ」
「二年のくせに1ブレ代表とかどういうことだ!副部長の圧力でなんとならんのか!」
「無茶言うな。そんな権限あるもんか」
「使えん副部長だな。それでも副部長か!」
「面白いな、その言葉の流れ。はは」
斉藤をあしらいながらそそくさと更衣室から出ようとして、出ようとしたかのように見せかけて、何気なさを装いながら僕は斉藤に問いかけた。
「そういえば……いつもの二人はどうしたんだ?」
斉藤は紙とにらめっこをしながら答える。
「あっこは朝練サボりー」
「あー……あと一人、そう、生駒、は?」
「みなみ?みなみはバス通学だからなー、またいつもより一本遅く来てるんじゃねー?髪の毛セットするのが大変だーって言ってたし」
「髪の毛……」
「そ。みなみの髪の毛すごい反抗期だからさー大変なんだってー。どうせ朝練でプール入るんだから気にする必要ないっつーのに」
「まあ、確かに、今のままでも……」
う。
口がすべった。なんとか声の大きさを尻すぼみにする。
「なんだよ副部長、みなみのこと好きなの?」
「……はぁっ!?」
声を裏返しながら僕は驚く。というかおののく。なんだこいつはなにを言ってるんだ、どうしてそういう話に行く。エスパーか?こんなパッとしない口悪女がエスパーか?エスパー斉藤か?
とりあえず僕は、なるべく大げさにならないように、平然を装いながら対応する。
「なに言ってんだよ、アホか」
斉藤はにやにやしながらこちらを振り向く。
「じょーだんだよ。みなみ関連のそんな浮いた話って聞いたことないし!だいいち、副部長こそ、そういう話に縁なさそーだしさ。興味ねーだろ、恋とか」
「……言うまでもなく、花を見るなら団子を食うよ」
僕は唇をひん曲げながら言った。
団子を食うくらいなら、生駒を見るよ。
そう心に思いながら、もう一度、斉藤がエスパーでないことを祈る。心を読むなよ。どうせならテレポーテーションとかにしておいてくれ。
エスパー斉藤の存在に恐怖した僕は、そこで会話を切り上げて更衣室を出た。変なことを喋ってしまいそうだったからだ。
それにしても。
バレるかと思った……自分の思いが。生駒への思いが。この事実は僕以外の誰も知らない、北極に住む謎のUMAよりも機密を保持しなければいけないことなのだ。誰にも話したことはないし、誰に話すつもりもない。ましてや相手があの斉藤だなんて言語道断だ。一日もしないうちに、舞島学園全体にその噂は広がることだろう。恐ろしい。
しかし。
どうせ告白する勇気がないのだから、いっそそのような噂が流れてくれれば、事態はもっと進展するかもしれない。「もっと」という言葉を使っていいのかどうかは分からないが。そういう噂が流れれば、もしかしたら生駒も僕のことを少しずつ意識し始めるかもしれない可能性は捨てきれないのだから。
と、思うが、そんなふうに割り切って考えられる人間だとすれば、おそらくもう既に告白しているのだろう。
生駒、
お前が好きだと。
僕は廊下で突っ伏した。
無理無理無理無理。
想像しただけで吐き気がして、足に力が入らなくなる。とんだチキン野郎だとも思わなくもないけれど、それでも体は正直だった。告白なんてできない。玉砕でもしてみろ、もうこれからは、遠くから生駒を眺めていることだってできない。
だったら今のままでいい。
そう思うのは決して変なことではないはずだ。
知っている―――これが叶わない恋だということは、十二分に知っているのだ。世界はそう簡単に奇跡が舞い降りてきたりはしない。こんなどこかの片隅で生まれた小さな片想いは、ゆっくりといつのまにか消えていくのだろう。それで構わない。消えてしまったあとに、瞳を閉じた奥で生駒の姿を綺麗に残せるのなら。わざわざ玉砕なんてできるはずもない。奇跡ってのは期待していたって無駄なものであり、偶然降り注ぐものなのだ。羽根が生えるのを期待して、なんの装備もせずに高いところからジャンプするやつはいない。
だから僕は思っていた。
今のままでいいんだと。
まるで納得させるかのように―――分かっていた、「これでいい」というのは自己防衛で、
本当は「こうとしかならない」ということを。
生駒の心は手に入らない。だったら潔く、こっちから諦める。それが僕に残された最後のプライドのようなものだった。
そうしていれば。
このチクチクとした痛みが、広がることもないのだから。
せまいうみ
七月。
夏が始まりかけたその日。
何の変哲もなかったその日。
少しずつ動いていく世界をぼんやりと眺め、遷移していく日常を寝転がった背中で感じながら、その日も時は流れていった。波のようにゆらゆらと、あてもなく、それでも退屈にならないくらいに―――揺れ続けていた。しかしその日常に、大きな異変が訪れることはなかった。波が来ているのだから海なのだろうけれど、僕がいるそこは、どうしようもないくらい狭い海だったからだ。開拓する力もない、権利もない、方法も知らない。平等に広がる空だけを見上げて、今日もゆっくりと世界の波に揺られている僕にとって、漫画でよくあるフィクションストーリーなど、起きるはずもなかった。空から女の子?落ちてくるか、そんなもの。
それでも。
僕の日々は平穏とは程遠いものだった。波の小ささなど、海の狭さなど微塵の意味も成さないような用件が、頭の中をいつも占領していたからだ。不条理を投げつけてくる大人でも、強引極まりない世界でもなく、心を蝕み続けてくるもの。
掴んで離さないもの。
それに僕は手を焼いているのだ。
その一番の要因は、幸か不幸かが不鮮明だということだろう。その事件は精神をグラグラと揺らし、心を傷つけてくるやっかいなものだった。しかし人はそれを尊重し、崇め、欲する。そこには尊い奇跡が存在し、誰もがそれを求めるからだ。
ふざけるなと。
言いたい。
当の本人である僕は、こうして胸が痛いだけなのだから。
焼けるように痛いだけなのだから。
夏の日差しのせいかもしれない。
そう思っていた今年の夏、僕は見た。誰もが崇める奇跡に近いものを間近で感じ取った。幸か不幸かは分からない。それでもただ一つ言えることは、この夏は僕にとって、忘れられない夏になるだろうということだけだ。
片想い。
片想いの話をしよう。
夏の日差しの照り返しなのか、水面に映った何かなのかは分からない。しかし僕は確かに手に取り、それを見たのだ。
あの日の。
夏の幻を。
1
「こうとしかならない」
七月が始まりを告げたその日、僕は、女子更衣室の中にいた。おっと―――言うまでもないが変態ではない。かといって今時流行りの男装女子でもボクッ娘でもない。ただ、連絡用紙を掲示しに来ただけなのだ。
当然、他に人はいない。このまま穴の開いたダンボールに隠れるつもりでもない。そして何より、別段心を躍らせているわけでもない。舞島学園中等部の水泳部副長として課せられた、いつもの責務を果たしているだけなのだ。
「舞島学園中等部水泳部 県体育大会出場メンバー表」
セロハンテープで四隅を窓に貼り付けながら、僕はその表に目をやる。七月の中旬にある水泳大会のメンバー表であり、定期的に測定したタイムを基準として水泳部顧問が決定した「レギュラー」、そしてその「補欠」が綺麗に整列された状態で印字されていた。
女子の更衣室に貼ってはあるものの、男女共の選抜結果が掲載されていて、僕は自分の名前を目で追って改めてため息を吐いた。
第三補欠。
まあ、分かっていたことだけども。
副部長という役職に就いてはいるが、実力は見事に伴っていない。部長というものは実力やセンス、人としての魅力も含めて選ばれるものだが、副部長なんてのはもはや、ヒマな人間に与えられる役職だ。現に副部長の僕は、雑務を担当されたりして、どちらかというとマネージャーに近い存在である。ま、バカにされたりすることは全くないから、居心地はすごくいいのだけど。
才能ほしいなあと。思ったりもする。
しかし、テンションが下がることばかりではなかった。紙の下方に目をやると、そこには上方の男子と同じパターンで女子の結果が掲載されている。僕の名前が乗っている100mFrの第三補欠……そことまったく同じ役職に選ばれた人の名前を見て、僕は子供のように純粋な目をして笑みをこぼした。
生駒みなみ。
そこにはそう書かれていた。
……だからといって、なにがどうということもない。イベントが発生するわけでもない。それでも僕は、自分と生駒が同じ縦線でつなげることができるというこの状況に、意味もなく喜んでしまうのだ。分かりやすく言えば、席替えをして席が隣になった……の1レベル低下したバージョンのようなもの。誕生日が同じだった、みたいな。
一方的に、運命を感じてしまうのである。
分かっている。子供っぽいということは分かっていても、僕にとっては子供に逆戻りしてもいいくらいの幸せな出来事だったのだ。この用紙は余計にコピーして、部屋の机の前に貼っておこう。そうしよう。
僕が首をひねって紙が斜めに貼り付けられていないかを確認していると、突然女子更衣室のドアが開く音がした。僕は一瞬で身を翻し、身構える。変態じゃないですよ副部長ですよ、と言う準備はすでにできていた。
開いたドアから、二人の人影が足を踏み入れてくる。僕は何かを言われるよりも先に反抗した。
「ごめんなさい……」
謝っていた。
堅実かもしれない。
両手を挙げて降参体勢の僕を見て、入ってきた女子は怪訝そうな表情をした。改めて見てみると、なんだ、斉藤か。
「なにやってんだー、お前」
「なにって、副部長の仕事だよ。メンバー表、発表になったから」
「おーホントだホントだ!」
そう言って、斉藤は僕の横を通って張り出された紙を目を細めながら眺めた。
「だぁーやっぱり代表はコバかぁーくそー!なんだあいつ!」
「なんだってなんだよ」
「二年のくせに1ブレ代表とかどういうことだ!副部長の圧力でなんとならんのか!」
「無茶言うな。そんな権限あるもんか」
「使えん副部長だな。それでも副部長か!」
「面白いな、その言葉の流れ。はは」
斉藤をあしらいながらそそくさと更衣室から出ようとして、出ようとしたかのように見せかけて、何気なさを装いながら僕は斉藤に問いかけた。
「そういえば……いつもの二人はどうしたんだ?」
斉藤は紙とにらめっこをしながら答える。
「あっこは朝練サボりー」
「あー……あと一人、そう、生駒、は?」
「みなみ?みなみはバス通学だからなー、またいつもより一本遅く来てるんじゃねー?髪の毛セットするのが大変だーって言ってたし」
「髪の毛……」
「そ。みなみの髪の毛すごい反抗期だからさー大変なんだってー。どうせ朝練でプール入るんだから気にする必要ないっつーのに」
「まあ、確かに、今のままでも……」
う。
口がすべった。なんとか声の大きさを尻すぼみにする。
「なんだよ副部長、みなみのこと好きなの?」
「……はぁっ!?」
声を裏返しながら僕は驚く。というかおののく。なんだこいつはなにを言ってるんだ、どうしてそういう話に行く。エスパーか?こんなパッとしない口悪女がエスパーか?エスパー斉藤か?
とりあえず僕は、なるべく大げさにならないように、平然を装いながら対応する。
「なに言ってんだよ、アホか」
斉藤はにやにやしながらこちらを振り向く。
「じょーだんだよ。みなみ関連のそんな浮いた話って聞いたことないし!だいいち、副部長こそ、そういう話に縁なさそーだしさ。興味ねーだろ、恋とか」
「……言うまでもなく、花を見るなら団子を食うよ」
僕は唇をひん曲げながら言った。
団子を食うくらいなら、生駒を見るよ。
そう心に思いながら、もう一度、斉藤がエスパーでないことを祈る。心を読むなよ。どうせならテレポーテーションとかにしておいてくれ。
エスパー斉藤の存在に恐怖した僕は、そこで会話を切り上げて更衣室を出た。変なことを喋ってしまいそうだったからだ。
それにしても。
バレるかと思った……自分の思いが。生駒への思いが。この事実は僕以外の誰も知らない、北極に住む謎のUMAよりも機密を保持しなければいけないことなのだ。誰にも話したことはないし、誰に話すつもりもない。ましてや相手があの斉藤だなんて言語道断だ。一日もしないうちに、舞島学園全体にその噂は広がることだろう。恐ろしい。
しかし。
どうせ告白する勇気がないのだから、いっそそのような噂が流れてくれれば、事態はもっと進展するかもしれない。「もっと」という言葉を使っていいのかどうかは分からないが。そういう噂が流れれば、もしかしたら生駒も僕のことを少しずつ意識し始めるかもしれない可能性は捨てきれないのだから。
と、思うが、そんなふうに割り切って考えられる人間だとすれば、おそらくもう既に告白しているのだろう。
生駒、
お前が好きだと。
僕は廊下で突っ伏した。
無理無理無理無理。
想像しただけで吐き気がして、足に力が入らなくなる。とんだチキン野郎だとも思わなくもないけれど、それでも体は正直だった。告白なんてできない。玉砕でもしてみろ、もうこれからは、遠くから生駒を眺めていることだってできない。
だったら今のままでいい。
そう思うのは決して変なことではないはずだ。
知っている―――これが叶わない恋だということは、十二分に知っているのだ。世界はそう簡単に奇跡が舞い降りてきたりはしない。こんなどこかの片隅で生まれた小さな片想いは、ゆっくりといつのまにか消えていくのだろう。それで構わない。消えてしまったあとに、瞳を閉じた奥で生駒の姿を綺麗に残せるのなら。わざわざ玉砕なんてできるはずもない。奇跡ってのは期待していたって無駄なものであり、偶然降り注ぐものなのだ。羽根が生えるのを期待して、なんの装備もせずに高いところからジャンプするやつはいない。
だから僕は思っていた。
今のままでいいんだと。
まるで納得させるかのように―――分かっていた、「これでいい」というのは自己防衛で、
本当は「こうとしかならない」ということを。
生駒の心は手に入らない。だったら潔く、こっちから諦める。それが僕に残された最後のプライドのようなものだった。
そうしていれば。
このチクチクとした痛みが、広がることもないのだから。
PR
先日行われた神のみぞ知るセカイ・オンリーイベント「落とし神降臨5」、自分は行かずに家の中で引き篭もっていたわけですが、鳥羽瑠乃シリーズのSSでお世話になったルキノさんがそんな行動力皆無な自分に気を遣ってくださり、特別に通販してくださりました!ありがとうルキノさん!これで次回も行かずに済……もごもご。
それがこちら。

中身はルキノさんのブログを参考してもらうとして、表紙どおり天理&かのんが中にもいっぱいです。うーん、同人誌ってすばらしい!ツイッターでも言いましたが、作った人にとっての「神のみぞ知るセカイ」というものが、作った人の構築する世界で繰り広げられている。リプライの送りあいでは決して探ることのできない世界。
それを見れただけでも満足なのに、天理もかのんも、ディアナもアポロもかわいいときたら、文句言えないというか!すげー今更だけど、やっぱりイベントに行っておけばよかったなと思いましたよ!ルキノさんともぜひ、直接会ってお話をしてみたいものですから……というわけで次回は、群馬で開催してね。てへ。一貫して受動的。

それと、ポストカードもいただきました!本来ならこの3種類から1枚ランダム封入なんですが、発案に協力したということで特別に全種類いただきまして……い、いいのかなあ。自分は何もしてないというのに。ただ天理成分満載なので、口をつむんでもらっておく。こやつ、パンチラしておるぞ!凝視だよ!
同人誌……実は手に取ったのは初めてなんですが、考え変わりましたよ。今まで自分は、自分の描いた絵や文章を本にして、「どうですかー」と販売するなんて、考えるだけで恐ろしくてポストカードの天理を凝視していたくなるようなコト、だったんですが。
こうして本になっているところ、特にルキノさんの文章がまるで本物の小説のように製本されているのを見ると、実感しました。これはクリエイターのみなさんが苦労して汗をかいて作る、それだけの価値は確かにあるなぁと。すごい。単純ですが、その一言に尽きる気がするのです。
死ぬまでの間に一度は、自分の本を出版してみたいものです。二十年後くらいに。
それがこちら。
中身はルキノさんのブログを参考してもらうとして、表紙どおり天理&かのんが中にもいっぱいです。うーん、同人誌ってすばらしい!ツイッターでも言いましたが、作った人にとっての「神のみぞ知るセカイ」というものが、作った人の構築する世界で繰り広げられている。リプライの送りあいでは決して探ることのできない世界。
それを見れただけでも満足なのに、天理もかのんも、ディアナもアポロもかわいいときたら、文句言えないというか!すげー今更だけど、やっぱりイベントに行っておけばよかったなと思いましたよ!ルキノさんともぜひ、直接会ってお話をしてみたいものですから……というわけで次回は、群馬で開催してね。てへ。一貫して受動的。
それと、ポストカードもいただきました!本来ならこの3種類から1枚ランダム封入なんですが、発案に協力したということで特別に全種類いただきまして……い、いいのかなあ。自分は何もしてないというのに。ただ天理成分満載なので、口をつむんでもらっておく。こやつ、パンチラしておるぞ!凝視だよ!
同人誌……実は手に取ったのは初めてなんですが、考え変わりましたよ。今まで自分は、自分の描いた絵や文章を本にして、「どうですかー」と販売するなんて、考えるだけで恐ろしくてポストカードの天理を凝視していたくなるようなコト、だったんですが。
こうして本になっているところ、特にルキノさんの文章がまるで本物の小説のように製本されているのを見ると、実感しました。これはクリエイターのみなさんが苦労して汗をかいて作る、それだけの価値は確かにあるなぁと。すごい。単純ですが、その一言に尽きる気がするのです。
死ぬまでの間に一度は、自分の本を出版してみたいものです。二十年後くらいに。
まなざしはパラダイス!
今週の神のみぞ知るセカイは158話「めがみみっくす」でした。集結するユピテルの姉妹……そして始まる天上の戦い、もとい、ゴタゴタ。桂馬くんすら置いてけぼりにする珍しい回でしたね。
とらドラ! Blu-ray BOX(完全限定生産版)
今年の冬頃に発売になるらしいですね。うーん、これは欲しい……けど、買えそうにないかな。無念!
たまにぽつぽつと言ってる気はするのですが、とらドラは個人的にすごく大切な作品なのです。アニメは3桁いくくらいの数見てますが、これだけ笑って、泣いて、共感して、熱中して、ハマった作品は片手で数えられるくらいしかないですよ。しかもこのBOX、新作も収録ということで……ぐぬぬ、限定生産という言葉が胸に刺さる。
とらドラスタッフが再集結したということで「あの花」も見てましたが、予想通りの面白さ、そして凄さでした。圧巻。些細な動作やテンポで心を引き付けるあの感覚は、心の中の青春というものをくすぶる気がしますねぇ。また、見直してみようかな。
あ、一番好きなのは当然みのりんですよ!大河とあーみんもいいけどね、みのりんは本当に……いい子だった……ジャイアントさらば、は、反則。
ど~んな~ふ~う~に生き~れ~ば~
しあ~わせ~に~なれ~るんだろ~
今週の神のみぞ知るセカイは157話「フラグ∞増殖」でした。歩美、ちひろと繰り広げたお見舞いイベントもついに終局……しましたが、関係は大きく流転していて―――というお話でしたね。
http://theinterviews.jp/trifolium_r
巷で話題のザ・インタビューズ、始めてみました。
こういう「人とのつながりがないと盛り上がらない」システムのものというのは、なかなかに手を伸ばしづらいなぁ、と思っていたのですが。みんなやってるし、楽しそうだし、なによりこれはブログ記事のネタになるしね!むしろブログのネタを募集してるようなもん!しめた!と思って、足を踏み出しました。ということなので、ぜひお気軽に質問をぶつけてきてください。なんでも答えます。ネタを輸出していると思ってくだせぇ!
文章書くのは大好きなので、話題を振ってくれれば大体のことについてはドンドン喋ります。現実ではサイレントな奴のくせに。内弁慶というか、文字弁慶。
巷で話題のザ・インタビューズ、始めてみました。
こういう「人とのつながりがないと盛り上がらない」システムのものというのは、なかなかに手を伸ばしづらいなぁ、と思っていたのですが。みんなやってるし、楽しそうだし、なによりこれはブログ記事のネタになるしね!むしろブログのネタを募集してるようなもん!しめた!と思って、足を踏み出しました。ということなので、ぜひお気軽に質問をぶつけてきてください。なんでも答えます。ネタを輸出していると思ってくだせぇ!
文章書くのは大好きなので、話題を振ってくれれば大体のことについてはドンドン喋ります。現実ではサイレントな奴のくせに。内弁慶というか、文字弁慶。
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