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管理人:とれふる
Pixiv
TINAMI
インタビューズ
神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。
ご意見・ご要望があれば studiotrefle0510☆gmail.com の方まで、☆を@に変換してお気軽にどうぞ。
鮎川天理さんからの求婚もお待ちしています。

ジャケットはもちろん私よ!
今週の神のみぞ知るセカイは133話「Canon Doll」でした。これまで女神の尻尾を追い続けていた桂馬くんでしたが、ついにその先端を掴んだようですね。
前回、栞と接触したあとにいきなり攻撃を受けた桂馬くん。その攻撃の主は女神候補・月夜の持っている人形である「ルナ」で、常識を逸した状況から桂馬くんは一つの結論を持ってきます。
それが、ルナ=女神です。

「私は、ウルカヌス……正義と精緻を愛する女神」
片言ではありますが、ルナ……というよりウルカヌスは桂馬くんにこう告げました。
ディアナ、アポロ、そしてウルカヌス。待ち焦がれた三人目の女神ですよ!やったー!
……とは、一概には言えない状態で。ウルカヌスは引き続き桂馬くんを糾弾し続けます。図書館の女と会ってただろ!女神たちは命を狙われていてみな危うい状態にありますが、ウルカヌスはどうもそんなことは気にしていなさそうですね。
月夜が悲しんでちゃダメ!という気持ちが最優先で、そういうところは他の姉妹にもそっくりだなぁ、なんて思いましたけどっ。
ウルカヌスの暴挙に焦りを感じた桂馬くんは、すぐさま月夜のところへと向かおうとするんですが……途中でとある人と出会います。

わー二階堂先生!お久しぶりですっ!気温も下がってきて、服装も新たにフォームチェンジしてますね!最近どんどん切羽詰ってきている神のみにおいて、エルシィと麻里さんは登場してほしい癒しキャラと感じてるんですが、二階堂先生も和みますね~。よく考えると、ぜんぜん和んだりはできない人なんですが……なんというか、この「変わってない」感じがいいですよね。平和な日常はいつになったら帰ってくるのか……天理もいつ帰ってくるのか……みたいな。
月夜を探して辿り着いた屋上、そこには―――月夜とは違う、ある人がいました。

それが、月夜に憑依したウルカヌスです。
う……美しい……!
頭の輪も出現し、月夜に憑依したルナ。女神が顕現すると、デザインを分かりやすくするために色々と違いが現れるみたいですが……今回は髪の色みたいですね!アルバのときもありましたが、いやーカラーリングが変わるっていうのは興奮します!塗りが変わるだけでも心にグッとくるものがありますが、ましてや今回は白と黒。ラインバレルみたいっすね!
徹底的に桂馬くんを潰そうとするウルカヌスに対して、桂馬くんは月夜と話をさせろ、と持ちかけます。やがてウルカヌスはその精神をルナに宿し、やっとのことで桂馬くんは月夜と真正面に向き合えました。
月夜の周囲に女神がいた、ということで……もちろん、攻略のことも完全に覚えています。
「そりゃ、怒られても仕方ない……」
と桂馬くんは反省(?)してましたが、まったくもってそのとおり。

月夜、怒る!
怒ってはいるんですが、どうも怒りきれていない感じがまたかわいいですねっ。月夜は身の回りに壁……というよりハードルを高く設置して距離をとっていますが、「距離をとったまま怒る」がイマイチできていないようです。本心は心の真ん中にあるんだけど、それをさらけ出して怒ることができない。
勝手に片思いしてた、と思ってもいるはずなので……当然の反応かもしれませんが。
「お前を月には……行かせない!」
とか言っておきながら放っておきっぱなしですもんね!そりゃ怒られるわ!
これだけ桂馬くんが苦労している理由の一つとして「自分の本当の立場を言い出せない」ということがあるんですが……桂馬くんはとにかく情報を出したがらないですね。まあこれが辻褄が合わなくなるのを防ぐためなのか、それとも明確な「目的」があるのか……アポロから警告が出ている以上、地獄の関係者として接触すること自体を避けているのかも。あるいは「攻略」の合間に余計なシールを貼り付けたくない、か。
どちらにせよ、桂馬くんもかなり高いハードルをジャンプして話を進めていますね!
このまま月夜の心のハードルを飛び越えることはできるのか!うまくまとまった(?)ところで、次号につづく!
今週のおいかけっこ!

なかなかシュールなこの三人。果たして誰の立場が一番上なのか……分かりそうで分からない。

デレてやってもいいんだぜ?
今週も忘れずやります、マイフェイバリットサンデー。今週のサンデーの感想といえば……やっぱりこの作品しかないでしょう。「オニデレ」です。
長らくサンデーのラブコメ看板を勤めてきてくれたオニデレでしたが、ついに今週で最終回。けっこう前から物語自体はブーストし始めていたんですけど、ついに終着点まで辿り着きました。おめでとう!
オニデレも、先週紹介したムシブギョーと同じようにすごく勢いのある作品だったと思います。常に暴走気味でしたもんね!ドタバタコメディーとはまさにこのこと。
色々とキャラが増えて話のラインが増築されてはいましたが、最初から最後までブレないところがあって、そこが一番好きなところかなーとは思います。それが「サヤと正の関係」です。

すれ違うことも多々ありましたが、この二人、一貫して仲がいい!それが見栄だったり、誤解だったり、なりゆきだったりでどうしてもうまく外に出せない……こう見ると、オニデレという作品も中々に特殊なラブコメですよね。
普通のラブコメの最終目標である「ヒロインとの両思い」が、最初から成立しているんですよ。ということはつまり、オニデレって始まった時点ですでに物語の半分が終結してるということです。本編自体がアフターストーリーみたいなね。その状態で二年以上も連載を続けられたのも、ひとえにサヤの「オニデレ」っぷりでした!
サヤ、素直になれないんですよねぇ……もちろん正にではなく、周りのみんなにですが。
とはいっても、そういう状況だったのは実際は連載初期までです。話数を積み、サヤと正の間に思い出が増えていく中で、二人とも「堂々と付き合いたい」と思い始めまるんですよ。決してボロが出たとかそういうことはありません!ええ!
……ところが。二人が決意したのにも関わらず、どうも周囲に認知されません!冗談だと思われたり気づけば流されていたり。進むところまで進んでいるのに、あと一歩が出ない!オニデレはコメディー色(というか、ギャグ色)の強いラブコメでしたが、それも当然のような気がします。みんなもうちょっと話を聞いてあげてよ(笑)!

個人的に特筆したいのは……やっぱりサキですかねぇ。
一般的に考えれば間女にしかなり得ないサキですが、設定の利を使ってバンバン登場してきます。もちろん正はサヤの夫ですから、サキも空回りしかしていませんでしたけど。
髪型とかむちむち設定とかもよかったですが、自分はやっぱりその「どうやったって報われない立ち位置」にいるからこそ好きなのかなと思います。だって、絶対に勝ち目のない戦いじゃないですか。ましてやその辺りに転がってるハーレム作品と違って正は全然ブレないし、失恋という結末しか待っていないことは明らかでした。最初の頃は気づいていませんでしたが、正とサヤの関係に気づいた後はもうね……。最終回のサキはすごい輝いてましたよ!


あとは、生徒会長とユナの二人。
もう言うまでもないですよ……お幸せに!
勢いとノリとテンションで最後まで走りきったオニデレでしたが、やっぱり作者のクリスタルな洋介先生が何よりも楽しく描いている感じがします!描きたいものを描いている感じがして……見てるこっちまでその楽しさが伝わってくる。
滅多にない作品ですよ。
自分としては、最後に正の男気を見せたところは拍手モノかと思います。オニデレのエンディングってプライドとかわだかまりとかを捨てて「みんなに認めてもらうこと」……ですが、それは決して妥協ではない。より高いところに上らなければならない。
そこへ引っ張っていくのは、やっぱり男の正ですよ。お前がやらんでどうする!
最後にかっこいい正が見れたのでもう満足ですねぇ……サヤの見えてる世界が見えましたもん。
見事大団円を迎えた「オニデレ」。
「ツン」も「デレ」も、他のツンデレとはレベルが大違いです。
心して読んでくださいね?

オニデレ 1 (少年サンデーコミックス)
懐かしの図書館バトル!
今週の神のみぞ知るセカイは132話「Doll Roll Hall」でした。ついに三本目の柱が、暗闇の中から現れます。
前回、図書館の中で栞と僅かに距離を縮めた桂馬くんでしたが、最後に突然図書館内の電気が消えます。不穏な空気の中現れたのは、予想もしていなかった「あの人」……もとい「あの人形」でした。
それが、ルナ。
図書館で執拗に桂馬くんへ攻撃を仕掛けるルナですが、「月夜に近づくな」と警告をするのみ。あまりにも意味深な行動ですが、当然裏はあるんでしょう。
この発言、ルナにとってどういう意味をもったものなのかを考えてみると……色々な理由が見当たりそうですよね。
まず、どうしてそこまでして桂馬くんが近づくことを恐れるのか。
「私の月夜にブ男が近づいている……殺してくれよう……!」
みたいに思いそう……ですよね、ルナなら。実際コミックスのおまけでは、実際に行動に移していますけど。あ、でも一応未遂だよ!
ともあれ、月夜にとってルナが大切な存在であるように、ルナにとっても月夜はかけがえのない存在ですからねぇ。
もう一つは、単純に月夜の身の危険を案じて、なのか。アポロから警告も出ているわけですし、多少なりとも神経質になってる可能性はありますよね。どちらにしても、実質的にはのっぴきならない状態だということは変わらないんですが……ある意味正当防衛とは言えるかもしれません。
それにしても、女神の力を駆使した完璧な本のバリケードが完成されています。こうしてみるとルナの中の女神って、けっこう力が戻ってきているような気がするんですが……浮いてるし、サイコキネシス使いだしね。とはいえやっぱり間接的な攻撃にしかならず、ダメージもそれほどではないようです。当の本人も威嚇程度のつもりみたいですけど。
さっきも言いましたが、コミックスのおまけでもルナは女神がいる片鱗を見せています。その頃は攻撃も風任せの突撃、しかも防御力0という状態でしたから……かなり強化されているのかもしれませんね。
で、自分がちょっと気になったのは、ルナの人格です。
コミックスおまけのルナと、今桂馬くんを攻撃している女神は「おそらく」同一人格……なんですよね?フツーに考えれば人形の中に人格が芽生えるなんて、女神というフィクション要素が入らないと不可能なわけですが……だとしたら、いつのまにかルナの愛の力は強まっていたのかもしれないですね。
ルナの中に女神がいるということは、女神の力はどうやって取り戻すのか……ディアナやアポロの場合は、「憑依している天理、かのん」の愛の力が増えることで力を取り戻していますが……ルナの場合はもともとの感情がありませんから、愛の力はどこから供給されてくるのでしょうか?近くにいる月夜、ということでいいのかな……その辺りは今の段階では分からないことが多いですね。
……今週の神のみを読んでから自分が一番気になっていることとして「今後のルナの呼び名」というものがあります。
ルナはルナという立派な名前がついていますが、ディアナ情報によると女神にはルナとは違う名前がついているわけで。これで女神が顕現したとすれば、はてさてみなさんはルナのことをなんと呼ぶのでしょうかね?正しくは「ルナの中にいる女神」……ですが。まどろっこしい!
ルナの中にいる女神も、おそらくさんざん月夜にルナルナ言われて浸透してきているとは思いますが……ディアナとアポロはどうするのかなぁ。ルナって呼ぶのかしら……まあ「花子」とかじゃないからよしとしましょうか!
コミックスおまけで進行を担当しているのがルナの中にいる女神だとすれば、もう最初に「私の名はルナ」って言っちゃってますもんね!神様なら、名前なんて小さいものにはこだわらないのさ!
今週の見所としては、桂馬くんの男気ある行動もポイントかと。
一歩間違えれば大怪我しかねないような攻撃にさらされる桂馬くんですが、状況判断はあくまでも冷静です。そして決断力も早い!どんな状況であっても主人公体質を崩さない桂馬くん……ステキです。
個人的には、図書館で戦うという時点でもうアルバを思い出さずにはいられないわけですが……!クレインとユヒナが初登場したのも図書館回でしたし、懐かしいですね!初登場したときは、本気でユヒナを女だと思ってたからなぁ……喋らないし、厚着だし、なにより美形だし!そして少年漫画で欠かせない「最初の敗北」もここなんですよ……ユウキくんが本気で聖結晶を集めだしたのもこれがきっかけで、クレインの退場シーンも覚えていると、最後の方で「うおおおおおおっ」って叫ぶことになりますし。
後は朝倉さんのお色気もね……ごほごほ。
桂馬くんもなかなか危険な状況にいますが、かのんの方もいよいよデンジャラスゾーンに入ってきたようで……果たして1stアルバムの発売日までに間に合うのか!?
今週のカフィ・オ・レさん!
ちょっと怒ってはいるものの、なすすべもなく体育座りをするフィオーレ。かわいいです!机の上に欲しいっ。
それにしても名前のバリエーション多いですねぇ……。
心はあなたに続いてる
今すぐ会いたい、感じたい、ぬくもりを
世界が満たされる、光で
どこにいても感じるよ、声を
私のラブコール、あなたに……
アニメ神のみぞ知るセカイ、その可能性が無限に広がった瞬間でした。
FLAG.7.0「Shining Star」の感想を。
自分は原作漫画の方もチェックしているんですが、2年半もの間続いている連載の中で一番思い出深い回が、この回です。理由は単純、かのんが好きなんですよ。
デザインだったり、振る舞いだったりもしますが、自分がかのんを数あるキャラの中で「好きだ」と豪語しているのはこの回が原因です。かのん編の終わり方が好きでしょうがないんですよね。そして今回、それがアニメになるにいたって……どこまで原作を越えてくるかと期待していたんですが……上を行き過ぎた感じがします。
最後に流れた「らぶこーる」と「ハッピークレセント」での圧倒的な感動ももちろんその要因のひとつですが、個人的には感動の内容以上に、アニメ神のみの「原作を踏襲しつつ、改変し、越える」という意気込みとその結果こそが凄いと感じた一番の要因かもしれません。
見ていただいた人は知っていると思いますが、かのん編は3話構成となっています。OPEDを省けば1話20分程度なので、3話で一時間かけた計算ですね。原作では18ページ×4話=72ページで作られているかのん編ですから、62ページ構成をアニメ1話で完結した歩美編と比べると、恐ろしく余裕のあるスケジュールですが……この割り当てこそかのん編の特筆すべきところでしょう。
神のみという作品は、攻略回では基本的にほとんど「桂馬くん目線」で展開が進んでいきます。もちろんヒロインたちの心の中のみが描かれているシーンもありますが、それはほとんど桂馬くんの理屈の裏づけに用いられます。神のみはまず桂馬くんが女子にイベントを仕掛けていくわけですが、桂馬くんに素直に反応を示さないヒロインが大多数です。そこでヒロインの心情を映したシーンがカットインされることによって、読者が「桂馬くんが予想した反応」を実際にそのヒロインでチェックすることができ、さすが落とし神さま……と感心するということの繰り返しが多いですね。
15分ほどで歩美を攻略できるのも、「ヒロインの感情シーンが必要最低限ですむ」というのが大きな理由ではないでしょうか。そしてそれも、決断力が強すぎる桂馬くんがビシビシと攻略を進めていっているおかげです。
けれど、アニメのかのん編は違いました。
3話構成で放送されるとなれば、原作どおりにアニメにしていけば丸々1話分ぐらい空いてしまうのではないでしょうか。では、代わりにその時間には何が挿入されたのか……といわれれば、それは「かのんの掘り下げ」です。Citoronを筆頭としたかのんの過去話だけでなく、アイドルとしての生活や心のスキマについても、時間をかけてザクザク開拓していました。
めまぐるしく動いていくアニメの中では原作どおりに進めていくと、どうしてもそのキャラの掘り下げが十分にできないというのがあります。漫画ではかわいいと思ったシーンをずっと眺めていられますが、アニメではタイミングが過ぎればもう別のシーンに流れていってしまいますしね。
ですから今回、多少のスピード感を犠牲にしてでもキャラの魅力を十二分に放送したのはすごく良かったと思いますよ。これはまああくまでも個人の感想ですが、アニメのかのん編は桂馬くん目線ではなく、かのん目線でもあった作品だったと思います。
この流れは空編でもありましたよね。空は原作ではその感情のなさがループの非常さを感じるひとつになっていましたが、アニメではしっかりと感情が描かれていてまた別の悲しさを表していましたし。
ただ、そうなると一つ問題点が浮上してきてしまう。それが、原作のかのん編の終わり方……あの空しさをどうやって表現するか、です。
原作の終わり方は、桂馬くんの「かのんはもうアイドルじゃない、自ら輝くスターになったんだ」というシーンで終了します。これがまた泣けるんですが、この感動は桂馬くん目線で終了しないと生まれないんですよ。最後がかのんの歌だったり、その後にCパートが入るとなると成立しない……。
自分は、ここが上手くシフトされているように感じました。原作にある、かのんが遠い存在になったけれど、自ら輝けるスターになってよかったね~ホロリ。というの感動が、どちらかというと「娘が嫁にいったお父さん」のような感情に移行しているような気がしましたね。美生編みたいな終わりかたです。
でもかのん編は、別れありきのストーリーだと思うんですよ。喜び>悲しみみたいなのじゃなく、悲しみ>喜びでいいと思うんですよ。
では、かのん編の感動をアニメ編ではどのようにして上手く補完したのか。それに必要なものこそが、一見ネックになっている「かのん目線」で進むストーリーの存在ではないでしょうか。
原作の終わり方では、桂馬くんは愛ゆえの別れに悲しみます。それがかのん目線で進むと逆になる……ということは、ありません。その理由は簡単、記憶が消えているからなんですよね……。スターにはなれたけど、桂馬くんはいない……という風にはなりませんよ。
ただし。
かのん編ラストのライブでかのんは、「らぶこーる」を歌いながら桂馬くんのことを一瞬思い出します。アニメで女神設定があるかどうかはあくまでも未定ですので、これも完全な思い出しではないかもしれません。長瀬先生のときみたいに顔は思い出せない……みたいなものかも。
ともあれ、これこそがかのん編の「補完」です。かのんも、不完全かもしれないけれどまだ桂馬くん(あるいは、自分を助けてくれた誰か)を思っていてくれている。原作では描写されなかった「両者の思いあい」が完成しているんですね。これができたのはやっぱり、かのん目線でのストーリーがあったからです。原作では本筋のストーリーは桂馬くん目線で、おまけ漫画でのみヒロイン目線でストーリーが描かれます。そしてそれは攻略後のヒロインたちであり、おまけ漫画を読んでこそヒロインのストーリーが完結する……というのもよくありますよね。唯一攻略の本筋がヒロイン目線で描かれたみなみ編も、キスの後は桂馬くん目線でしたし。
アニメで再構築するにいたって、その混同しないはずの二つのストーリーが同じ軸上に重なることができたんだと思います。これこそが、自分の言いたい「原作を踏襲しつつ、改変し、越える」というものです。ヒロインの要素を盛り込んでキャラを立たせつつ、より感動に拍車をかける……かのんのアニメは桂馬くんのセリフでEDに入らないと、絶対に満足できないと思っていましたが。やられましたね……。
攻略後、歩美と美生が原作でもはっきりと桂馬くんに何かを感じているにも関わらず、かのんはキスして別れを告げた後はそういったものを全く示さずにフェードアウトしていきました。あのデレデレなかのんがですよ。それが自分にはとてもショックで、悲しくて。でもそれは、それぞれがそれぞれのことをを思った故の結果で、立派なスターになれたから……っていう、もどかしさがどのストーリーよりも強い。だから自分はかのん編が好きなんです。神のみ特有の攻略後の空しさが一番顕著だったから。
キスして別れた後もかのんが一人なのは、忘れたからという理由だけではなかった……今回それがわかって、涙腺が緩みました。かのん編はもしかしたら悲しみ>喜びなんかではなく、喜び>悲しみのストーリーだったのかもしれません。アニメにならなかったら、気づけませんでしたね。
次回予告!
FLAG 8.0 Coupling with with with with
神にーさまのため自慢の料理を振舞うエルシィ、だけど桂馬にはいつも不評。
今回も奇妙な“自走”する弁当を作り、こっぴどく怒られるはめに…。
盛大にヘコんだエルシィだが、ちひろのアドバイスでリベンジを決意!
いちごのショートケーキを作るため、彼女が取り出したのは、地獄の砂糖に
色とりどりの卵。その中には……。原作・若木民喜先生の脚本によるエピソード!! (アニメ公式サイトより)
かのんはスターになったけれど、遠くに行ってしまったけれど、つながりが切れたなんてことは絶対にないですよ。
どこにいても心は続いていて、ラブコールはきっと届くはずですから。

武士道邁進!
というわけで、記念すべき(?)一回目は「常住戦陣!!ムシブギョー」です。
何度だって言いますが、このブログも絶好調に更新頻度が減りつづけていますので……今週からは、サンデー本誌の感想も書けていけたらな、と。とはいっても、毎回毎回18ページの作品に愛やら理屈やらを持ってきて思いを吐き出すことは限りなく不可能に近いので、一週一作品なら!いける!ような気がする!ということで始めてみました。
2011年のしょっぱな、新年6号から連載が開始されたこの「ムシブギョー」ですが、一言で端的に言ってしまえば、面白い。面白いうえ、読みたかった作品にもなってる気がします。
“死ぬまで勝ち続ける武士”を目指す月島仁兵衛は、生まれ育った津軽藩を離れ、大都会・江戸の「蟲奉行所」に勤めることに。目安箱の投書によって設けられた蟲奉行所のお役目は…江戸に跋扈する巨大蟲を退治すること!! 選ばれた猛者が命懸けでお勤めを果たす蟲奉行所にて、江戸の平和と人々の笑顔を守るため、仁兵衛は戦う!! 愉快痛快爽快至上主義・大江戸蟲切りバトルアクション!!!(WEBサンデー内「常住戦陣!!ムシブギョー」ページより)
……まあ、作品の本筋はこんな感じですね。設定自体はそんなに奇抜なものではありませんが、けれど……というよりかは「だからこそ」、自分はこの作品を面白いと感じるのかもしれません。

仁兵衛は屈強な父親を持ち、それに憧れています。……ところが昔、その父親の武士としての命である「足」を奪ってしまったことがあるんですよね。自分が不甲斐ないせいで、父はすべてを失ってしまった……それを今でも悔やんでいます。
ところが。
それを父親は責めもせず、そして息子もそれに引きずられてはいない。そういう辛いことがあったからこそ、仁兵衛はより強さを求めています。なにかと密かなトラウマを持ってる主人公が多い中、仁兵衛のクリーンさと言ったら!血なまぐさい設定ではあるんですが、主人公はまったくそれを感じさせない性格なんですよね。よく言えば熱心、悪く言えばアホ。
まっすぐなんですね。
で、自分がムシブギョーを「すごい!」と思うところが、まさにこれと繋がっています。ムシブギョーの凄さってやっぱり、その「王道さ」だと思うんですよ。今週(といっても、実際は先週)のサンデーの次号予告にはこう書いてあります。

「ただひたすらに、王道を往け!!」
まさにこれです!
個人的な話なんですが、自分はすごい「王道」って好きです。主人公がやられそうだ……どうなる!ってときに味方が現れたり、宿命のライバルがあっさりと仲間になったり。ベタでみえみえの展開だとしても、「だからこそ」、より燃えるものっていうのがあると思うんですよ!もちろんバトル漫画じゃなくて、ラブコメとかでも同じことは言えるわけですが。
……ただ、残念なことにそういう王道ド真ん中の作品って、あんまりウケない。王道って言い換えればやり尽くされていること……すなわち「地味」なんですよね。では、その地味さを打ち砕くものというのはなんなのか?
フツーの作品ではそれが萌えやらアダルト要素で補われがちですよね。登場キャラ全員女子!とか、胸揺れるよ服破れるよ!みたいな。もちろんそれを武器にできるっていうのはスゴイことなんですが。人を魅了する体を描ける人ってあんまりいないですよ?
ところがどっこい、今のところムシブギョーでは、そういうところに極端に依存したりはしていません。
だったらどうして面白くいられるんだい?と聞かれれば、それはやっぱりその突破力ではないでしょーか?

仁兵衛はいまどき天然記念物にでも認定されそうなまっすぐ進むことしか知らない主人公ですが、ムシブギョーにおいてそれが作品を司る全てのような気がします。傷を負っても誰かのために立ち上がり、よく分からない不条理は無視し、強大な相手も刀と気合でやっつける。できそうでできない……といより、ベタすぎてやりたがらないことをこうも堂々とやってるんですよ!
かっこいい!単純でまっすぐだから、こういう感情が真っ先に浮かんでくるのではないでしょうか。
あとは行動だけでなくて、仁兵衛の性格も非常に読んでて気持ちいいですよね。幸せなことに両手をバンザイして喜んで、すまないと思ったことには全力で謝辞をする。自分より強い人に対しても尊敬の念を抱いて、近づくためにより燃える。
まさに「こうあるべき!」という武士(あるいは、少年漫画の主人公)の姿を歪みなく描いてあります。勇ましくて愛らしい……完璧じゃないですか!

設定においても、なんだか紛らわしいゴチャゴチャした設定は存在していません。人々の命を脅かす悪い蟲がいて、それを倒す。簡潔で分かりやすくていいですよね!むしろそういう単純なところから始まったほうが、いつか少しずつ広がっていったときの興奮が強まるはずですよ。濃密な作品が欲しいとか言わないで、読んでてスカッとする作品にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
細かいことはいいんだよ!仁兵衛がかっこよければそれでさ!
少年漫画において一番大事な部分を見事に踏襲している作品ですよ。もちろん人に訴えるようなことがあるのも大事だとは思いますが、こういう作品がどこかにあるだけで楽しいですよね!
「常住戦陣!!ムシブギョー」
世知辛い世の中ですが、そういうときだからこそこの作品をオススメしたいですね。難しいことを考えるのはやめて、仁兵衛の男気に「かっけー!」と叫んでみてはいかがでしょうか?

(WEBサンデーにて壁紙無料ダウンロードできます、お早めに!)

世界中でたった一人の
あなたに出逢えたこと、
偶然じゃなく、運命といつか
呼べる日まで……
かけがえのないあなたの
かけがえのない人になって行きたい。
こみあげてく想いに
泣きそうな自分に、負けないで。
「STEADY」SPEED
作詞:伊秩弘将/1996
※神のみぞ知るセカイの二次創作のSSです。天理とディアナがメインとなったストーリーですが、多少原作との差異があり、その他のキャラにおいても個人のイメージで補われた性格設定が存在します。また、かなりつたない文章なので読みにくいかもしれません。それでもOKという人は、お気軽にどうぞ。
12/18 第一話「10年前のエピローグ」
12/26 第二話「図書館戦争」
01/16 第三話「嘘」
02/12 最終話「つづきの話のプロローグ」
02/12 あとがきみたいな
……と、いうわけで神のみぞ知るセカイSS 天理&ディアナ「Steady Secret」、完結しました!
タイトルも長いですが、完結までも長かったですねー!二ヶ月もかかってしまいましたが……このあとがきもどきまで到達してくださった方々にはもう、感謝しつくしてもしきれないです!あんな長いストーリー書くのは初めてだったので至らないところも多かったと思いますが、話(主に、天理のかわいさ)が伝わってくれれば嬉しいですねぇ!
もともとこのSSを書き始めたきっかけは、場つなぎだったんですよ。
年の瀬の12月、神のみのアニメも終わり……もうこのブログで更新することがなくなることは目に見えていました。このままでは下手したら週一更新とかになってしまう!(実はもうなってたりもしますが!)と事態を慮った自分は、ツイッターの中でふとした言葉を目にしました。
それが「SS」。
ちょうどその頃、マイタイムラインの中で頻繁にその言葉が行きかっていたんですね。もうさんとdlswさんの大御所から始まり、DHAさんルキノさん神名さん……と、なにやらみんなSSの話をしとる。
やってみようかな。
……きっかけはえてしてそんなものですよ、ええ。
で、やるにあたって一番問題なのは「ストーリー」でした。とはいってもこの時点ですでにコンセプトは決まっていて、それが「天理を出す!」ということでした。これだけは大前提ということで。天理が好きでしたし、丁度その頃から原作で天理が懐かしいキャラという悔しい肩書きをかけさせられたのも相まってこうなりました。懐かしいなんて言っちゃダメだよ!
実際はずっと前から「そういうアイデア」は考えてあって、その中でも一番突飛というか、書いてて楽しそうな話を採用しました。それが「五年前」編です。
天理を出すとなれば、それ相応の天理が活躍できる場所を作りだすことが必要です。途中でハクアが乱入してこれないようなね。そういう場所を確立させるには、空間的な意味での場所ではなく、時間的な意味での場所がふさわしいかなーと。
五年前の時点で桂馬くんに興味を持ってるキャラは、神のみヒロインの中では天理だけです。そうなれば五年前というステージはまさに天理の独壇場!これしかない!ということでもう全然考えずに決めました。それでもちゃんと動いてくれたんだからすごい。
天理SSに出てきたキャラは、檜、栞、月夜、長瀬&二階堂両先生、美生、結でした。当初の計画では「全員出す!」というのもあったんですが、気力の問題でこの面子に。
もちろん気力以外の面でも理由はあって。五年前のストーリーということで、すなわち、五年前に出して意味があるキャラじゃないとダメなんですよ。歩美やちひろといった2-Bのメンバーもからませたかったんですが、彼女たちはどうも五年前を想像しても、今とあんまり変わってないような気がするんですよね。もちろん五年前っていうだけでかわいかったりもしますけど……そういうのやってくとキリがないのです!
とは言っても、正直なところ五年前という設定で輝くのは檜くらいなんですが。この設定を利用した訳の一つとして、檜の意味合いというのはとっても大きいです。檜が道場にあばよ宣言したのがちょうど五年前の春休み……ということで、これは使うしかない!と。
五年前の檜は、自信に満ちています。そして当然ながら心のスキマなんてのもありません。小さい町に嫌気がさして外の世界へと踏み出す瞬間の檜って、怖いもの知らずらんですよ。怖いものしらずというか、怖いものを知る前の檜なんですね。
無垢であり、すなわち無知です。
五年前ですから当然、彼女たちはなーんも知りません。
これから先、心にスキマが開いて駆け魂に巣くわれてしまうわけですが……それを知らない無垢(無知)なキャラがわんさか出てきています。
外の厳しさを知らない檜。
親の離婚など頭にない月夜。
部活が順調に行っている純。
父親の死など予測すらしていない美生。
栞と結は逆に「何も知らないが故の頑固さ」を備えてますが、他のキャラは基本的にみんな明るいです。これからの生活に暗雲がたちこめるなんてことは露知らず、それぞれの日常を歩んでいる。ストーリーを生かすためにはこういうのは重要なんですが……正直書いてて辛いときもありましたね。特に美生……お父さんの死なんて頭にこれっぽっちもない感じが、もう書いてて悲しくなってきてしまいました。
でも、それでも、心のどこかに充実感はありました。それこそが今回のSSで書きたかったもう一つの部分でしたから。一つは「天理のかわいさ」、そしてもう一つがその「ビフォアーストーリー」です。
神のみの同人誌やSSは沢山ありますが、そのほとんどが「アフターストーリー」です。スキマが埋まったあと、桂馬くんとヒロインのデレデレ話がいろんな設定で綴られている。
自分が描きたかったのは「スキマに駆け魂がいるヒロイン」でもなく「スキマが埋まったあとのヒロイン」でもなく、「スキマが開く前のヒロイン」だったんですよね。ビフォアーとアフター。この二つ、違っているようで意外と似ています。スキマが埋まった長瀬先生とできる前の長瀬先生は、どちらも元気溌剌でやる気に満ちています。
違うところがあるとすれば、辛いことを経験しているか、していないかです。
でも前述したとおり、特に上に上げた四人は「ビフォアー」と「アフター」が、似てます。檜はより奔放になり、月夜は敷物をせずに椅子に座り、純はやる気に満ち溢れ、美生は気を遣えるようになっている。辛いことを乗り越えたあとに知らない頃の自分に近づくっていうのは、なんというか……自分で書いといていうのもなんですが、なるほどな、と思ってしまいましたね。
一方の天理ですが、まあこれも……流れのままに行ったって感じですね!
最初は「桂馬くんへの愛」で終始動かせればいいかなーなんて思ってたんですが、ツイッターでHT_LPさんから「天理→桂馬への思いは愛というより、憧れ」……と言われて。途中で行動理由をシフトしました。分かりにくくなった感は否めませんが、でもこっちに変えて正解かなぁと。ディアナの鼓舞によって天理が動くのではなく、あくまでも天理が一人で動き、その動きをディアナが補正する、みたいに……なってればいいなぁ!結果的にディアナの出番が少なくなっちゃってゴメンネ、ディアナ!
出番といえば、桂馬くん……本筋の主人公のくせして、なんと出番の少ないこと!勝手に説教をして退却させられてしまう桂馬くんでしたが、あれでいいのかなぁ、と。天理は結局五年後に再び桂馬くんのところへ来ますが、彼女はまた前髪を長くして帰ってきます。この物語は決着をつける話でなくて……それこそプロローグでいいかとは思いました。
よく見てみると、この物語を通して二人が進展したとかはまったくもってないんですよ。ただ、原作である天理の「求めなさ」、その裏側にある理由を描けたらいいなーなんて思ってみたり。天理は五年前のこれを含めると他のキャラより多くのアドバンテージを秘めてることになりますが、秘めているからこそ、ああいう態度でいられるのかなぁ……。
天理にとっての今の幸せってきっと、他の誰よりも重いんですよね。
こんな感じで勝手に原作と結びつけて天理補完をしちゃってますが、他の皆さんにとってもなにか一つでも「神のみぞ知るセカイ」というもののどこかが変わったり、補われたりすれば本望かなと!もちろん個人的な一番の望みは、みなさんが天理を好きになってくれることだったりもするんですが!
ともあれ、こんなどうでもいいの極致まで来た文章を読んでくださり、ありがとうございました!
それではまた。