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神のみ・サンデーの感想ブログ。こっちはまじめ。
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神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。

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ルキノさんとの合同神のみぞ知るセカイSS、第3話です!奇数話なので、今回の執筆者はルキノさんとなります。これ以前の話数はこちらからどうぞ~。

……え、挿絵?今から描くよ!




 1

(まぁ、この段階で得られる情報はこれで限界だろうな……)
 急いては事をし損じるという言葉もあるように、ここでより情報を得ようとするのは危険だ。数秒のうちに思考を重ね、選ぶルートを決める。
「じゃあ、ボクはこれで」
「え、あ、うん………は、話せて楽しかったよ」
「そう、それはよかった。じゃあ」
 桂馬はそう言うと、颯爽と部屋から出ていった。
(今は攻める時じゃないな……)
 そんなことを思いつつ鮎川家の一階に戻ると、玄関には天理……、いやディアナが待っていた。その表情から察するに、怒っているらしい。
「どうした、ディアナ?」
「桂木さん。彼女に何もしていないでしょうね?」
 言葉の節々から怒っているのが感じられるが、桂馬はどこ吹く風だ。
「別に何もしてないぞ」
「そうですか。ならいいのです。てっきり、私は桂木さんのことですから攻略と称して鳥羽さんの胸に触るくらいの暴挙はしかねないと思っていたのですが、杞憂でしたか」
「………そ、そんなことよりも、ディアナ。瑠乃を頼むぞ」
「え……、そ、それはどういう意味ですか?」
 思いがけない言葉にディアナは困惑を隠しきれずに、尋ね返した。
「意味も何もその通りだよ。今回の攻略には天理やディアナの協力が必要だ」
「だ、だから……それをどういう意味だと」
「そうだな……恐らくいつも通り接していれば概ね問題ない」
「いつも通りって……」
「とりあえず、そういうことだ。よろしく頼む。天理、ディアナ」
「か、桂木さん。ちょっと……!」
 桂馬はそれだけ言うと足早にその場を後にするのだった。

***

「桂木さんは何を考えているんでしょうか……」
「桂馬くんにも桂馬くんなりの考えがあるんだと思うよ?」
 それからしばらくして、天理は自室に戻っていた。瑠乃も天理が戻ってくると何かを思い出したようにすぐに帰ってしまったので、今部屋には天理一人である。
「天理はいいんですか? 桂木さんに協力するということは、桂木さんがほかの女性とキスの片棒を担ぐことになるんですよ?」
 鏡の中のディアナは怒っているが、天理はいたって冷静だ。
「でも、それで鳥羽さんが助かるんだからさ……」
「そ、それは………そうですが」
「だから、頑張ろ?」
「そ、そうなんですが……」
 天理はそう言うものの、鏡の中のディアナは釈然としない様子だった―――。




「天理、あの……昨日の人って…」
「……桂馬くんのこと?」
 そんなことがあって、翌日のお昼休み。天理は瑠乃と一緒に教室でお昼ご飯を食べていた。そして、瑠乃がそう切り出してきたのである。
「そ、そう……。あの人が、いつも天理が話していた幼馴染みの男の子なの……?」
「そうだよ。でも、会ったのは十年ぶりなんだけどね……」
 天理はそう言うと、ちょっと困った風に笑った。一方の瑠乃は真剣そうな表情のままで言葉を続けた。
「天理はあの人がゲームをたくさんしてることはどう思うの? 嫌だとか思わないの?」
「桂馬くんは昔からそうだったから、特に何も思ってないかな……」
「そ、そうなんだ……そうなんだ、そうだよね……」
 瑠乃はその天理の言葉に何かを悟ったかのように、何度か肯定の言葉を繰り返すのだった。

***

「さて……そろそろかな」
「兄さま……何がそろそろなんですか?」
 同じ頃の舞島学園。舞島学園でも昼休みを迎えており、桂馬とエルシィがベランダに出ていた。というよりかは、桂馬が出たのをエルシィが追ってきたのだが……。
「はぁ……。とりあえずは、正攻法だけが攻略じゃないってことだ」
 桂馬はエルシィの反応に小さく溜め息を吐いてからそれだけ言うと、さっとPFPを開くのだった―――。




「天理、これは……? たしか、同じクラスの方ですよね?」
 昼食も終わって天理は図書室に用があったので瑠乃と一旦別れて、校舎内を歩いていた。すると、そこでとあるポスターを見つけたのである。
「うん。たしか、コンサートするって話していたのを聞いたから多分……それじゃないかな?」
 そのポスターに写っている茶髪の少女の名前は鈴鹿音々。天理と同じクラスの少女であり、新進気鋭のヴァイオリニストでもある。定期的に様々な地でコンサートを行っていて舞島高校に在籍している中川かのんと同様に学校側の了解の下でずっと欠席している。そういうわけで、同じクラスの天理自身でさえも数えるくらいにしか学校で姿を見たことがない子なのである。
「あ、鳥羽さん」
「!」
 天理はしばらく音々のポスターを見ていたが、廊下の隅に瑠乃がいたので何気なく声をかけると瑠乃はハッとして慌てて何かを隠した。
「て、天理……」
「鳥羽さん、どうかしたの?」
「な、何でもないよ……。あ、今日の放課後ね、ちょっと忙しくてさ、一緒に帰れないんだ……ごめんね」
「そうなんだ。じゃあ、また今度だね」
(桂木さんのせいですね……)
 瑠乃の突然の変化にディアナは桂馬の存在を感じるのだが、果たして―――。




「瑠乃がゲーマーならば、これに乗らないわけはない。元々注目されていたタイトルだしな」
 放課後。エルシィは今日もバンドの練習があるということで、桂馬は一人で校内をPFPをしながら歩いていた。桂馬がPFPで開いているのは自らが運営しているサイト『落とし神』。そして、サイトへと届いたメールの確認をしているのである。
「落とし神が瑠乃にとって唯一素を出せる相手ならば、落とし神が興味を持っているゲームを逃すハズがない。そして、ネットで今から購入しては時間がかかる」
 そして、受信箱の中に瑠乃からと思しきメールが……!
 これでルートは決まったと桂馬は確信すると同時に、その中での最善の一手を思案する。
「どうしようか……」

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