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神のみ・サンデーの感想ブログ。こっちはまじめ。
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神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。

ご意見・ご要望があれば studiotrefle0510☆gmail.com の方まで、☆を@に変換してお気軽にどうぞ。
鮎川天理さんからの求婚もお待ちしています。
つぶやいてます。

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ルキノさんとの合同小説である神のみSS、その第二話です!一話はこちら。リレー形式の更新なので、今回は自分が内容を書いています。内容の稚拙さには覚悟して読んでくださいね(おい)!








「……とりあえず、天理に会って情報を得るか」
瑠乃と出会った翌日、桂馬は学校を終えて帰宅している。本来ならエルシィと共に行動をするべきところだが、舞校祭にむけてのバンドの練習があるらしく同行していない。どっちが大事だと思ってるんだ。
「あ、神さま! これだけでも持っていってください!」
 そう言ってエルシィが渡してきたのは、十五センチ四方ほどの小さく切られた羽衣だった。……何に使うんだこれを、と桂馬は思ったが、とりあえず受け取っておくことにする。
「これだけあっても意味ないだろ」
「今のうちに変形させておけばいいんですよ!」
 今のうちって、桂馬はまだ瑠乃についての何の情報も得ていない。ルートもなにも見えていないのに決められるわけが……
 そう反論しようとして、桂馬は思考をもう一周巡らせた。そして「答え」にたどり着き、エルシィに羽衣の変えるべき形を要求した。
「ヌルヌルさせろ」
「……はい?」
「だから、ヌルヌルさせろ、この羽衣を」
 エルシィは不思議そうに首をかしげた。

いつもどおりの帰路を歩き、桂馬は自分の家の隣にある天理の家に到着した。躊躇することなくインターホンを押し、中から天理が出てくるのを待つ。
鳥羽瑠乃……今のところでは情報が少ないのでなんとも言えないが、駆け魂が入っているということは心にスキマがあるのだろう。ゴスロリ少女のスキマ……桂馬の中には一つの予想が組み立ててあった。ゲーム的にはありがちな展開……すなわち。
現実を嫌い、そういうゴスロリ側の世界に入り浸っている可能性。
そうだとすれば、かなりのありがち展開だ。エンディングだってたやすいだろう。ともあれ、確認してみなければ分からない。
そうこうしているうちに、鮎川家のドアが開いて中から天理が出てきた。小さく会釈する天理を構わずに、すぐに本題へと入る。
「単刀直入に聞く。鳥羽瑠乃の心のスキマに心覚えはあるか?」
「……桂木さん、お帰りください」
なに?
その言葉を聞いて、桂馬は一歩後ろへ下がる。天理がディアナに切り替わることは想定内だったが、肝心の言葉の内容は想定外だった。
「どういうことだ」
「その鳥羽瑠乃さんですが……いま、天理の部屋に来ています」
「……っ!だったらなおさら情報を渡せ!」
 桂馬はディアナに詰め寄るが、いい顔はされない。
「桂木さんは彼女の心のスキマとやらを、広めたくないのですよね」
「どういう意味だ……?」
 桂馬は顎に手を当てて考えを広げる。「桂馬という人間そのものがスキマの要因になっている」、ディアナはそう言いたいに違いない。
 だとすれば……接触するほかに解決方法はないだろう。
「ディアナ、大丈夫だよ……桂馬くんを信じよう?」
 ディアナから切り替わった天理は、ちょっと顔をうつむかせて桂馬の方を覗くように見た。そして、声をひそめて淡々と言う。
「えっと、鳥羽さんは……男性恐怖症、なんだよ」
…………!
 男性恐怖症。桂馬は目を見開いて、思考の海から欠片を引きずりあげる。先ほど組み立てた予想の中に入り込むその「属性」は、桂馬の頭のピースにかっちりとはまった。予想は外れていなかった。そして、エルシィに用意させた羽衣も。
 好都合だ。
「分かった。天理たちは外で待ってろ……二人で話がしたい」
「う、うん」
「待ってください、桂木さん! 話を聞いてましたか!」
 おとなしく頷いた天理に代わって、ディアナが再び現れた。桂馬に向かって怒号を飛ばすが、彼の耳には届かない。

以前、天理の引越しを手伝った際に、天理の部屋へは入ったことがあった。玄関を抜けて階段をのぼり、二階にある部屋に向かう。
 天理の部屋だ。
 早足で歩いた桂馬は、躊躇もノックもせずにドアを開ける。
「あ、天理、このお菓子って……」
中に入ったとたん、甘い匂いが桂馬の体を包み込んだ。クッキーやチョコ、オレンジジュースにアイス……糖分、糖分、糖分。桂馬は頭をくらりとさせる。が。
 その桂馬に気づいた鳥羽瑠乃は。
 一瞬で顔を青くした。
 男性恐怖症……その言葉を聞いたとき、桂馬の頭の中には清清しいような納得感が満ちていた。昨晩に瑠乃とぶつかったときの瑠乃の表情は、驚きでも嫌悪でもなかったからだ。恐怖……昨晩に桂馬を見たときの反応は、まさしくそれだった。
「えっ……あなた……だれ……?」
 瑠乃は声を震わせながらそう言った。まるでこれから桂馬に殺されるのでは、と勘違いしているかのように顔色も真っ青である。
 警戒心……まずはこいつを取り除かないかぎり、攻略は始まらない。好きという感情でも嫌いという感情でも、大切なのは興味心だ。
 むしろそこまで行ければ、一気にエンディングへは近づける。
 だからこそこの一言は、見誤れない。桂馬は最善と思しきセリフを引き出し、言った。
「昨日のこと、謝りたいと思って」
「……き、のう?」
「ぶつかっちゃったから。ごめん」
 言って、桂馬は頭を下げた。瑠乃は驚いた表情を見せたが、眉をひそめてちらちらと桂馬を見た結果……同じように頭を下げた。
「こ、こちらこそ……すいません」
 ここまでは桂馬の予測通りだ。いくら男性恐怖症といえども、誠意を持って謝罪している人間をおざなりにはできない。
(そして、これだけじゃ終わらせない)
「あ、ジュースこぼれてるよ」
 そう言って、桂馬はさっき瑠乃が慌てて落としたコップを指差した。中身はそれほど入っていなかったが、カーペットの上に少しこぼれてしまっている。
「ほ、ほんとだ。拭かないと……」
「いいよ、ボクがやる」
 机の上にあった布巾を手にとって、座っていた瑠乃を立たせる。そして床を拭くように見せかけて……
 透明になっている羽衣を、瑠乃が踏み出す足先に設置した。
 ヌルヌルの羽衣を。
(……転べっ!)
 桂馬がそう願った直後、瑠乃は黒いストッキングを穿いた足でそれを踏んだ。油揚げのようになっているそれを踏んだ瑠乃は、つるっ、と滑って……うつ伏せになるように、しゃがみこんでいた桂馬の上に倒れこむ。
 あくまでも、「瑠乃から桂馬に」。
「きゃっ!」
「うわぁ――」
桂馬はわざとらしそうに声をあげ、倒れこむ隙を突いて瑠乃の胸へと手を伸ばした。転倒したときのアクシデントを装ってはいるが、完全に、頭の先から足の先まで故意である。
むにっ、と桂馬はそれを掴んだ。ブカブカなゴスロリ服に隠れてはいたが、意外と大きい。が、そんなことはどうでもよかった。
桂馬の頭の中には、すでにプランが企ててあったのである。
(壁を作ってくる相手の壁を壊す方法……それにはまず、ボクがこいつにとっての唯一無二の人間となる必要がある。それには、これしかない)
 桂馬はまさぐりつつ思考する。
(これで、鳥羽瑠乃は「怒る」。こいつの中の男への思いの普遍的な感情は、恐れだ。それを怒りにチェンジする!)
 桂馬は撫でまわしながら思考する。
(学校が違っても、一度怒らせれば出会う理由が発現する! そうなればこっちのもの……今の時点での好感度など、恐れるに足りない!)
 桂馬は……
「!」
 ……おかしい。
 
怒らない。
 
かれこれ三十秒ほど倒れかかった姿勢のままでいるが、瑠乃は一向に怒る気配を見せなかった。それどころか、ぴくりとも動かない。顔を伏せたままただ黙っている。
(まずい! 根っこを引っこ抜くつもりでいたがーーー掘り進めたか!)
 桂馬は焦って周りを見渡す。本来ならここは瑠乃の反応を待つところなのだが、このままではただ自分が変態行為をしただけで終わってしまう。何か状況を打破できるものは……!
 そのとき。
 瑠乃の後ろに置いてあったバッグが目に付いた。先ほど瑠乃が転んだときの衝撃でそれは倒れていて、中に入っていたものが少し飛び出ている。それを見て、桂馬はおもわずこうつぶやいた。
「よっきゅん……?」
「……!」
 バッグから飛び出ていたのは、黒と白で派手に装飾が施されたPFPと、桂馬にとってのトゥルーヒロイン……杉本四葉が出ているゲームのパッケージだった。桂馬のつぶやきに瑠乃が小さく反応したのを、桂馬は見逃さない。
 胸から手を離した桂馬は、眼前でうつむいている瑠乃を見つめた。
(こいつ……)
 そして。
 瑠乃もゆっくりと、桂馬のほうへ顔を上げる。




(こいつ、ゲーマーだったのか)
 あの後、二人は何事もなかったかのように重なっていた体をどかした。念のため瑠乃の顔をうかがったが、青くなっていないかわりに、赤くもなっていなかった。そして、怒ってもいなさそうだった。
 結果だけ見れば、さっきのイベントは失敗している。しかし桂馬は省みることはない。それどころか、想定外の鍵を拾うことができたと微笑んでさえいる。
 瑠乃が何をしているかといえば、デコレーションされたPFPでゲームをやっていた。しかも、ギャルゲーである。バッグに入っていたゲームは「よっきゅん」のものを含め、すべてギャルゲーだった。ガールズサイドというわけではなく、男向けの。桂馬は壁によりかかり、後ろからそれを見つめている。
「あなた……よっきゅん、知ってるんだ」
 するといきなり、瑠乃から声をかけられた。いとも簡単に。これならわざわざ胸を揉む必要はなかったな……と思いながら、桂馬は返答する。
「知ってる。あんなに素晴らしいヒロインを知らないなんて、もはや罪だ」
「そう、だよね」
 瑠乃の声は強張ってはいたが、さっきまでよりは格段に明るい声になっている。きっかけは掴めた。瑠乃にとっての唯一無二の存在に成り上がることも難しくはない……というより、もう成りかけているといっても過言ではないのではないか。桂馬は探りを入れる。
「でも二百本しか売れてないからな。実際によっきゅんの良さを知ってる人と会ったのは、初めてだよ」
 これは事実である。以前に天才ギャルゲーマーを育成したときに薦めまくったことはあったが、既知のゲーマーには初めて会った。瑠乃も同じ状態であれば……。
 桂馬が瑠乃の背中を見つめて答えを待っていると、少しして、瑠乃はボタンを繰る指を止めて言った。
「私は、二人目」
「……っ! ほ、本当か」
「本当だよ。画面越しだし、顔も知らないけど」
「男か」
 桂馬は率直に聞いた。質問の意図など、後でいくらでも工面できる。冷や汗をにじませながらぶつけた桂馬の問いに、瑠乃はさっきよりも余計に声を明るくして答える。
「……そうよ」
「!」
 ……やられた。
 掴んだと思っていたものが、掌から抜けていく感覚を覚える。男を拒み続ける瑠乃の心の中に、一つだけ開いているスペース。桂馬が入ろうとしていたそこには、既に別の人間が居座っている……くそ、と桂馬は奥歯をかみ締める。さっきの転倒イベントで瑠乃の「固さ」を知っていた桂馬としては、そこへ入り込めないことはかなりの痛手だった。
 三つ目のルートを模索し始めた桂馬の目の前に、瑠乃はPFPの画面を持ってくる。
「……この人」
「なに?」
 いったいどこのどいつだ、と思って怪訝な表情でその画面を見つめた桂馬の瞳に映ったのは、ホームページのトップページだった。白しかないシンプルなページの真ん中には、地味なフォントでこう書いてある。


「落とし神」。



 桂馬は思わず絶句した。そして、途切れた言葉のぶんも追加した速度で頭の中をこねくりまわす。
「知ってる? 落とし神さま」
 瑠乃は緊張しながらも、薄く微笑んで桂馬を見つめた。
 あまりにもうまく行きすぎな展開に、思わず桂馬の中には笑いがこみ上げてきた。なんとかそれを抑えて、さてどうするかと考える。
 今ここで、自分が本物の落とし神だと瑠乃に教える方法はいくらでもある。そうすれば真の唯一無二、オンリーワン。スペースを占拠することが可能だ。ツイている。これはもしかしたら、かつてないほど簡単に攻略が進むんじゃないかーーーと思って、
 瑠乃の目を見た、その瞬間。
「…………」
「え、……知らない?」
「知ってるよ、落とし神。すごい人だよね」
桂馬がこう言うと、瑠乃の表情がより解けていく。
「そう、だよね。現実でそう言ってくれる人、あなたが初めてだよ」
「ああ、あの人はすごい。尊敬する」
 桂馬は瑠乃に嘘をついた。自分の正体を明かそうとはせず、あくまでも普通の一ゲーマーとして……瑠乃の隣に立つことを決めた。
 もちろん、意味はある。確かに落とし神として、瑠乃の神になることも可能だったかもしれない。ただ、それでは駄目だと―――その神の頭が、魂が、体が、血液が、訴えかけてくる。
 瑠乃の目を見た瞬間、それを察したのだ。


「お前はなんでゲームをやってる?」
「なんで、って。楽しいから。綺麗だから」
「なにが」
「世界が」

「落とし神さまが、いつも言ってる」
桂馬は下唇を噛んだ。
 前言撤回。こいつは、面倒くさい。


「現実なんて、クソゲーだよ。って」

桂馬はその言葉を聞きながら目を細め、散らばったパズルのピースを組み立て始める。このままではいけない。
まずは何をするべきか……。




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