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管理人:とれふる
Pixiv
TINAMI
インタビューズ
神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。
ご意見・ご要望があれば studiotrefle0510☆gmail.com の方まで、☆を@に変換してお気軽にどうぞ。
鮎川天理さんからの求婚もお待ちしています。
ツイッターではお知らせしましたが、ルキノさんとの神のみぞ知るセカイ合同小説の第一話です!
……と言っても、第一話はルキノさんのターン、ということで、中身に関しては自分は関わっていなかったりするんですが(笑)。ルキノさんとこれから作り上げていく作品の「導入部分」となるストーリーですので、ぜひ気軽に目を通してみてください!
最後の選択肢で物語が分岐するゲーム方式となっておりますっ。ポチッと押してくださると嬉しいです!
それではどうぞ!
1
「それがお前の、『できること』なんだよ」
夜道の先を歩く桂馬が意味ありげにそう言う。エルシィはそのいつもと違う声のトーンに何かを感じたのか、ゆっくりと立ち止まった。
それでも桂馬は歩き、こう呟くように言った。
「それができないヤツだって……いるんだよ」
「……さん、どうもありがとう」
「ううん……別に。じゃあ、これで」
しばらく歩いてきて、二人がお隣の鮎川家の前に来ると玄関の方からそんな声が聞こえてきた。どうやら誰かが来ていたみたいで、ちょうど来客が帰るところのようだ。
しかし、天理の家に誰が来ようと桂馬には関係あることではない。我関せずといった調子でPFPに視線を落とすと、彼はそのまま歩を進めた。
「あ、にーさまっ、危ないですっ!」
ドーーンッッッ!!
エルシィの忠告も一足遅く、桂馬は何かとぶつかって倒れてしまった。
「け、桂馬くんっ、大丈夫っ!? 鳥羽さんもっ」
来訪者の帰りを見届けようとしていた天理も慌てて駆け寄ってくる。
「何だよ。もう、どこ見て歩いてるんだ」
桂馬は立ち上がると、何にぶつかったのかとそちらを見る。と、そこにはいたのは黒髪で端正な顔立ちのゴシックロリータを身にまとった少女……。それはさすがに彼の予想外だったのか、彼も一瞬言葉を失った。そして、更にそこに追い討ちをかけるような音が……。
ドロドロドロ、ドロドロドロ。
その音にエルシィがはっとなって、駆け魂センサーを押さえる。
「痛たた……」
一方の少女はそう言うと、ぶつかった桂馬を見た。そして、何かに気づいたのか怯えたような表情を見せ、さっと起きあがった。
「あのー、大丈夫ですか?」
「あ、え、えぇ……。じゃ、じゃあ……ここ、これで」
少女はエルシィの言葉にそう言うと、慌ててその場を去っていった。しばらくすると、桂馬が溜め息を吐いた。
「エルシィさん、彼女に古悪魔が……?」
その語調から察するに、どうやらディアナに入れ替わったようだ。
「は、はい……。そうみたいです……」
「天理ー。どうかしたー?」
すると、家の中から天理のお母さんの言葉が聞こえてきた。どうやら、戻ってこない天理を心配しているだ。
「お母様が呼んでますね。……それでは、桂木さん。失礼します」
2
その日の深夜。桂馬は自室でいつものようにギャルゲーに勤しんでいた。彼には攻略しなければならないゲームが山のように存在するのだ。しかしながら、今日はその進みが僅かに遅い……。
「彼女のことが気になりますか? 桂木さん」
「ディアナか……」
桂馬は振り返らずに言う。一方、カーテンが揺らぐ中で桂馬の部屋に姿を見せたのはディアナ。彼女がこうして接触をしてきたのは、女神について話した時以来だ。
「ボクが気になるわけないだろ、バカバカしい」
「彼女は天理の友人の一人です。私も少なからず、知っています。だからこそ私は思うのです。彼女は桂木さんに近い存在ではないか、と」
そのディアナの言葉に桂馬の手がピタッと止まる。ディアナもそれを見て僅かに驚きの表情を見せるが、言葉を続ける。
「彼女の名前は、鳥羽瑠乃。天理と同じクラスの子です」
「ゴスロリを着てるのはなぜだ?」
「そこは私も分かりません。ですが、最初も彼女は趣味程度だったように思えます。家もここから近いですから天理と彼女は学校以外でよく会うのですが、出会った頃は稀に着ていることがあったくらいでした」
「なるほどな……。最近は学校以外では常にあの服装なのか?」
桂馬の疑問にディアナは同意する。
「えぇ。夏休み明けたくらいからだったと思います」
「そうか」
そこで部屋は一度沈黙に包まれた。部屋の中に響くのは、数々のゲーム機が起動していることを示す音ばかり。桂馬は一度指で唇をなぞると、再びゲームの方へと向いた。
「桂木さんは彼女も攻略するのですか……?」
「そういうことになるだろうな」
「そうですか……」
その後、室内にディアナの言葉は聞こえなくなった。どうやら自宅へと戻ったらしい。すると、桂馬は一度深い溜め息を吐いた。
「さて、明日の放課後どうするかな……」