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神のみ・サンデーの感想ブログ。こっちはまじめ。
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神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
絵やSSもたまに書きますが、これは人生の潤滑油です。つまり、よくスベる。

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ルキノさんとの合同神のみSS、その第七話です!完結編までラストスパートということで、7話・そして8話の執筆は通じてルキノさんが担当いたしています。ついに鈴鹿音々も物語に干渉し始めますので、お楽しみください!
(合同SSのまとめあります。以前の話数はこちらから)


 


「ここね」
「あぁ」
 それは鳥羽瑠乃が倒れた翌日の昼。休日であるその日の昼間、桂木桂馬とハクアの姿は、舞島市のとある会館内にあるホールのエントランスの一角にあった。この会館は市民なら誰でも利用でき、会議に使われる会議場などもあったりする。このホールもそういった施設の一環で、地元の高校の定期演奏会や演劇などがよく行われたりしている。
 そして、かの天才ヴァイオリニストの次なるコンサートも―――。
「本当にここから先はお前ひとりで大丈夫なの?」
「あぁ。ボク一人で行く」
 そんな二人の目の前にはあるホールへと続く観音開きの扉。そこでは鈴鹿音々が一人で予行練習をしているという―――。

***

「桂木さん、この度のことにどうエンディングをつけるおつもりで?」
 話は昨日へと遡る。場所は鳥羽家のリビング、その場にいるのは桂馬とハクアと、ディアナの三人だ。瑠乃は自室で寝込んでいるが、幸いなことに瑠乃の両親は現在不在のようで、大事は回避できている。
「とりあえずは、鈴鹿音々に話を聞く。いや、この攻略の鍵を握っているのは間違いなくこいつだ。何としても聞き出す必要がある」
 そう言って桂馬は目の前のテーブルに広げられている天理がかつて高校で眺めていたポスターを一瞥した。そこには、もちろんそれには鈴鹿音々が写っている。
「鈴鹿音々――舞島市立美里東高校二年。鳥羽瑠乃とは同学年の同じクラスだけど、現在学校の了解の下で公認欠席状態。音楽の世界では名の知れた天才ヴァイオリニストで、定期的にさまざまな場所でコンサートを開催している」
「えぇ、大体はそんなところです」
 ハクアが短時間で調べた鈴鹿音々の基本情報にディアナは肯定する。
「だが、瑠乃との本当の接点は何なんだ?」
「そ、そこまでは………」
 さすがのハクアでもこの短時間ではそこまでは調べきれなかったのだろう。その質問にハクアも戸惑った表情を浮かべてしまう。
「それは、瑠乃さんと付き合いの長い天理も知らなかったのです。ハクアさんが調べきれなくても無理はないでしょう」
 桂馬と向かい合うようにして、反対側のソファに座っているディアナがそう言う。
「察するに、二人は親友の仲ではあるんだろう?」
「恐らくそうであると思います。ただ……鈴鹿さん自身が本当に限られた回数しか学校に来たことがないので、私もお二人の関係性を完全には推し量れなくて……。だから、それも私の推測でしかない………です」
 ディアナの言葉にも、いつものような力強さはない。
「いや、瑠乃と鈴鹿音々は親友、もしくはそれ以上に深いつながりを有するとみて間違いない。それはこの状況から明らかだ」
 そうだ。何があったかは不明だが、瑠乃は音々と口論らしきことをしていたのは天理が目撃している。そして、その直後に彼女は倒れた。これらを踏まえると、音々が瑠乃に大きな影響力を持っていることは明らかと言ってもいい。
「けど、桂木」
「なんだ?」
「そうなると、鳥羽瑠乃の心のスキマは何なの? 天才ヴァイオリニストと呼ばれる鈴鹿音々への劣等感、ではないんでしょ?」
 そうだ。もっとも最初に浮かぶその可能性。それを桂馬はきっぱりと否定している。いや、認めていない。
「それはまだ分からない………いや、分からなくなったというのが適切だろうな。だが、一つだけ確かなのは瑠乃は決してゲームの世界に逃げてはいない。仮に百………いや、一万歩譲ってそうだとしても、理由があるはずだ」
「け、けどッ……」
「ハクアさん」
 桂馬に再び反論しようとしたハクアをディアナが制する。
「いまは桂木さんにお任せしましょう。私たちが言ったところで、自分の信じるものを曲げる人ではないのは……ハクアさんもご存知でしょ?」
「ッ………そ、そうね」
 ディアナの言葉にハクアも悔しながら頷く。
「話を戻しますが、桂木さん。私はどうすればいいのでしょう?」
「ディアナは、瑠乃を看ていて欲しい。そして、可能な限りそばにいてボクたちが帰ってくるまで瑠乃を誰にも会わせないでくれ」
「分かりました。ですが、桂木さん」
「なんだ?」
 ディアナの言葉に桂馬は質問で尋ね返す。
「きっと事態は桂木さんが思うより切迫しています。ここで活路が見えなかったら、瑠乃さんの身に危険が……」
「あぁ……分かってる」
 そう答えた桂馬の表情は決してふざけたものではなく、極めて真面目なものであったことは言うまでもない――。

***

 そんなこんなで話は今日へと戻ってくる。
「本当にここから先はお前ひとりで大丈夫なの?」
「あぁ。ボク一人で行く」
 桂馬はいつもと変わらぬ表情でそう言う。それにハクアは、一度だけ溜め息を吐いた。
「ついていくって言っても止めるでしょ?」
「………だろうな」
「じゃあ、さっさと行ってきなさいよ! ここで待ってるから!」
 そう言って桂馬の背中をドンッと押すハクア。それに押され、よろけながら数歩進む桂馬。これも彼女なりのエールなのであろう。
「ったく、これだからリアルは……」
「何か言ったかしら?」
 桂馬の言葉にそう言って笑顔で鎌を振りかぶろうとするハクア。それに桂馬も一度だけ溜め息を吐いた。
「いや、別に。それじゃあ行ってくる」
 桂馬はそう言うと目の前の扉に手をかけ、そしてゆっくりと開いた―――。




「桂馬くん、大丈夫かな……?」
(今回ばかりは何とも……)
「ディアナでも?」
 同じ頃、鳥羽家の瑠乃の部屋には天理の姿があった。
 瑠乃の両親はどうやら泊りがけで出かけているようで昨夜は家に戻ってこず、天理は自分の両親に連絡するだけで何とかこちらの家に一晩泊まることができた。
(えぇ。天理なら分かるかもしれませんが、私たちはまだ鈴鹿音々さんをよく知りません。いえ、恐らくクラスのほぼ全員が彼女はどういう人物なのかは知っているつもりになっているだけでほとんど知らないでしょう)
「そうだね……」
 そう、天理もディアナも鈴鹿音々のことを知っているようでほとんど知らない。だからこそ、ディアナも一抹の不安を抱いているのだ。
(でも、なのですが。もしかしたら瑠乃さんは……)
「っ………ぅ……ん、ぁ……」
 その時、ベッドで寝ていた瑠乃がもぞもぞと動いた。どうやら意識が覚醒してきたようだ。
「ディアナ」
(えぇ)
 天理の言葉にディアナは頷き、鏡の中から姿を消した。そして、天理は瑠乃が眠るベッドのそばへと寄る。
「と、鳥羽さん……?」
「っ……て、天理?」
 瑠乃の瞼が開き、漆黒に輝く瞳が天理にも見える。天理はよかったと安心するが、次の言葉に驚かされることになる―――。
「て、天理……ど、どこにいるのっ?」




 桂馬がその中に入ると、ホールを包み込んでいた美しいヴァイオリンの音色が止んだ。そこは大きく奥行も豊かな円形のホール。確認は出来ないが、二階席もあるようである。
 そのホールの一番前、ステージ上でスポットライトを浴びている茶髪の少女が入ってきた桂馬の方をすっと見上げた。少女は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐ納得したというクールな表情を浮かべた。その少女には桂馬も一度会っている人物だ、間違うはずもない。
 鈴鹿音々――この物語、鳥羽瑠乃攻略の鍵を握るとされる人物だ。
「あなたは? いえ………愚問ですね。一度お会いしましたものね」
「そう………だな。一度会っている」
「あなたのお名前は?」
 ステージ上に立つ音々はヴァイオリンをそばに静かに置いて、桂馬に名乗るように促す。どうやら様子から察するに、誰かが来るであろうことは想定していたようだ。
「桂木桂馬だ。お前は鈴鹿音々だな」
「そうです」
 ステージ上の鈴鹿音々はクールにそう答える。
「お前はボクがくるのを予測していたのか?」
「予測………まぁ、期待くらいはしていましたね。瑠乃をああいう風に変えてしまった人が私の元にくるのかな、程度です。まぁ、私が一人で予行練習するのは少なからず有名な話ではあるようですしね」
「………」
 桂馬はその言葉にあえて答えない。というよりか、思考している。
(そういうことか……)
 少しばかり合点がいったかもしれない。
「駅でお会いした通りであるならば、あなたもゲームを日常的におやりになっているんですよね?」
「そうだ。いや、決して関係なくはないがとりあえずはそんなことはどうでもいい。………単刀直入に聞きたい」
「なんでしょう」
 桂馬のその問いかけに、音々はそう応じる。
「お前と瑠乃の〝つながり〟は何なんだ?」
「私と瑠乃のつながり……? それを聞いてどうするんですか?」
「瑠乃は昨日のお前の言葉にショックを受けている」
 桂馬は意を決した表情でその言葉を放った。
「る、瑠乃が……?」
 桂馬のそんな言葉に、一方の今まで冷静だった瑠乃が初めて動揺の表情を浮かべる。
「あぁ」
「で、でもッ。そ、それは瑠乃がいけないんですよッ。る、瑠乃はあんな服を着たり、ゲームをしたりする子じゃなかった。な、なのにッ……」
「ゴスロリを着たり、ゲームすることの何が悪い?」
 桂馬はそう言いつつステージの方へと一歩ずつ進んでいく。
「る、瑠乃はそんな子じゃなかった。私の知る瑠乃は、もっともっと普通な子だった。いい子だったのに……」
「音々。瑠乃がゴスロリを身にまとうようになったり、ゲームをするようになったのにも理由があるんじゃないのか? なのに、どうしてそれを考えようとしない? なぜ頭ごなしに否定する?」
「ッ……。あ、あなたに私と瑠乃の何が分かるのッ?」
「何も分かってないさ。だから、ボクはお前の、音々の元にボクは来たんだ」
 桂馬が更に音々の方へと一歩ずつ歩み寄り続ける。
「う、うるさいっ。あなたが音々を変えたのッ! 音々はいつも変わらない音々だったのに。あなたが音々を変えたんだッ!」
「それは…………あながち間違いではないだろうな」
 音々の方へと進み続けた桂馬はステージの前へとたどり着き、音々の言葉を素直に肯定した。そして、さらに言葉を紡ぐ。
「ボクはたしかに瑠乃の状態を悪化させた。それは事実だろう。瑠乃の状態は恐らくボクと出会わなかったら、悪化しなかった」
「ほ、ほらッ……!」
「でも、もしボクの仮説が正しいならば、瑠乃がそうなるきっかけを生み出したのはお前だよ、鈴鹿音々。そして、瑠乃を救える鍵を握っているのも間違いなくお前だ」
「ど、どういうことなの? る、瑠乃の身に何が起きてるの……?」
「それは……今は教えられない」
「ど、どうしてッ?」
 音々が桂馬に問いかける。しかし、桂馬は表情を変えない。
 その様子はまるで最初と立場が逆転したかのよう―――。
「どうしてもだ」
「………」
 その桂馬に態度に音々の眼に不信が宿る。
 そして、それを悟ったのか桂馬も言葉を発する。
「信じて欲しい」
 桂馬がそういう表情は苦しげだ。信じてもらえなくても仕方ないと思っているのだろう。
 しかし、その桂馬の表情に音々はハッとさせられた。
「ボクは瑠乃を救いたいんだ―――」




「鳥羽さん。ど、どうしたの?」
「て、天理……? 真っ暗でよく見えないの、どこにいるの……?」
 そう言って上半身を起こしている瑠乃は、何かをつかむように空中で手を動かす。動かすが、それは皆目見当違いの方向で天理に触れることはない。
 その動きにディアナは悟る。
(旧悪魔の影響ですね……)
(駆け魂の……?)
(えぇ)
(申し訳ありませんが、天理。少々代わってください)
(わ、分かった)
 そして、天理とディアナが入れ替わる。
「瑠乃さん」
「て、天理……?」
 瑠乃は不安を感じたのか、恐る恐るそう尋ねる。
 それにディアナはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「瑠乃さん」
「う、うん……」
「よろしければ教えて頂けませんか?」
 ディアナは瑠乃の瞳をじっと見つめ、そう言う。
 その視線を感じたのか、答える瑠乃の声も心なしか震えていた。
「な、何を……?」
「あなたと音々さんの間にあるものは何なんですか?」
「わ、私と音々の……?」
 瑠乃のそう発した声は震えていた。
 しかし、それは先ほどのディアナに見つめられた時とは違う。
 桂馬の言葉風に言うと、〝踏んだ〟時にしか出ないものだ。
 本当に開けてはいけない扉が開きかかった時の―――。
 けれども、ディアナは続けて言葉を紡ぐ。
「私はあなたと桂木さんが似ていると思っていました。でも、それは違った。いえ、ある意味では同じ存在なのかもしれませんけれども、やはり違うように私には思えます」
「………」
 そして、ディアナは意を決してその言葉を発する。
「あなたは、いえ……瑠乃さんはもしかしたらゲームの世界に救いを求めていたのではないですか………?」




「分かりました。あなたを信じてお話します」
 音々はそう言うと、静かに溜め息を吐いた。
「本当かッ?」
「えぇ。あなたを信じます」
 音々はそう言って、一度ゆっくり目を閉じる。
 そして、少し経って目を開けた時、そこには気品ささえ漂う鈴鹿音々の姿があった。
 それにはさすがの桂馬も思わず息を呑む。
 音々が覚悟を決め、ゆっくりとその言葉を紡ぐ。
「お話します。あなたの言う私と瑠乃の〝つながり〟、そのきっかけとなったであろう出来事を―――」

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