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神のみ・サンデーの感想ブログ。こっちはまじめ。
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神のみぞ知るセカイを人生の主軸、少年サンデーとアニメを人生の原動力としている人。
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聖職者・長瀬 純。彼女の抱える理想の行く末とは?アニメ神のみぞ知るセカイⅡ第11話「いつも心に太陽を」の感想を。


 長瀬編は、戦いの話でした。

見てもらった方には分かるかと思いますが、長瀬編は「恋」というフィールドにはあまり当てはまりません。今回、最終的に長瀬先生を攻略し恋に落とすことはできましたが、本質はそこにはないのではとも思います。桂馬くんの目指していたエンディングは、それとはきっと違うのです。

長瀬編は戦いの話であるとともに、「現実」というものを映した話でもあったと思います。これまで楠も、ハクアも、ちひろも、そしてその他のヒロインも、向き合っていたのは自分でした。軟弱な心に挟まれる自分、友人に素直になれない自分、輝くことができない自分。しかし長瀬先生の悩みと心のスキマは、そことは違う場所に存在しています。「周りのみんなは、現実は、どうして私の周りについてきてくれないの?」……これだけ見ると長瀬先生が自己中心的みたいに見えてしまうような気もしますが、だからこそ、今回の攻略は非常に苦労するものとなっていました。



個人的な感想なんですが、長瀬編を見ていると無性に心がモヤモヤしてきます。やるせない気分というか。それもそのはずで、長瀬先生は何も間違ったことは言っていない。ひねくれているわけでもない。栞みたいに「私は人と話さない」みたいな明確な齟齬があれば逆にすっきりするのに、長瀬編はその歯車がうまく行きそうでうまく行きません。どうしても合致しない。「彼女の言っていることはここが悪くて、ここに弱さがあって……」みたいに追求していくことができないのです。していけばしていくほど、何でうまくいかないの?という考えに至ってしまいます。まさに作中の長瀬先生状態。おかげで、感想もちゃんと書けるのかよと心配になってはいましたね。

ただまあ、結論は導けました。長瀬編は、誰が間違ってるとか間違ってないとか、そういう話ではないと思うのですよ。戦いの話なんていいましたが、まさしくそれと同じ。「正義」なんて言葉が一方的できちんとした意味を成さないのと同じように、長瀬編もまた答えは見えない争いなんですよ。理想に向かってがむしゃらに頑張ることも悪いことではない。がむしゃらになんて頑張れないよと座り込むことも悪いことではない。しょうがないという言葉すらも通じさせないような、現実の理屈なんですよ。どちらも。



長瀬編において長瀬先生は、最初こそうまい滑り出しをするものの、少しずつ周りとすれ違いが生まれていました。長瀬先生の頑張りに生徒がついてこれなくなったんですね。私はみんなのためを思ってるのに……と長瀬先生は言いましたが、これは詭弁でも自慢でもないんですねぇ。本心からの言葉。屈託のない純粋な思いでそれをやってきているのにも関わらず、成果が出ない。手を伸ばしてもとってくれない。やるせないとは言いましたが、長瀬編を見た一番の感想はそこですよ。理想に向かって走っていると現実の壁にぶつかる。そしてそれはどうしようもない……
と。
長瀬先生は思わなかったのです。


11話放送終了後のツイッターで話題になっていて強く共感したのですが、長瀬編は栞編と似ています。正しくは「似て非なる」。10話で桂馬くんは「もうちょっと分かってるやつかと思ったよ」と言いました……理想を追い求める長瀬先生は、少しながらも桂馬くんと近しい存在だったのかもしれません。そして栞においても、エルシィや桂馬くんの「違ったか」という言動から同じことを確認できますね。栞も長瀬先生も、桂馬くんと同じ高い世界で、現実を置き去りにして走って生きている人たちなのです。
でも、栞と長瀬先生は同じ人種ではない……そこがやっぱり、長瀬編を見るに至ってはずせないと思ったところですね。



栞と長瀬先生の話を少し置いておくとして、自分がもう一つ気になったことは長瀬編の「エンディング」です。キスシーンで終わるっていうのは本当に素晴らしい幕引きとは思いますが、それ以上に桂馬くんの語りが素晴らしかった。体育館でした桂馬くんのエンディングへの導きは、長瀬編の真意を体現しすぎててここで書くことがなくなるくらいです。アニメを録画してある人も、あるいは原作コミックスを持っている人も、もう一度かみ締めながらあの会話を聞いて欲しいと思いますわ。

「みんなの力になりたいのに……どうしたらいいの?」
長瀬先生の悩みは、すべてがこれに集結しています。悩んでいる生徒を助けたい。生徒の役に立ちたい。その強い信念で長瀬先生は動いています。けれどそれがうまくいかない……「なら、どうしたらいいの?」涙を流しながら問う長瀬先生に対して、桂馬くんはこう答えます。

「もっと理想を押し付けたらいい」
「お前はやらなきゃいけない」
「どれだけ傷ついても孤独でも、お前は理想を見せなきゃいけない」



理想を見せて、よーいドンと走り初めて……ふと後ろを振り返ったとき。振り返った長瀬先生の隣にも、後ろにも、人影はありませんでした。立ち尽くす長瀬先生に桂馬くんがかけた声は「走り出せ!」でした。隣にも後ろにもいない。今頃どこかで休んでいるかもしれない。それでも桂馬くんは言いました、走れと。
きつい言葉ですよ。
そこにロジックというものはなくて、もはや根性論にも近い。理想を追い求めてつかめなかったとき、言い訳でも引き返しでもなく―――もう一回手を伸ばせと、桂馬くんは言ったのです。
なぜなら。
「お前は、教師だから」

お前は教師だから―――この言葉こそ、長瀬編におけるターニングポイントなんですよ。長瀬先生が年上なのは教育実習生なのは、新鮮味を持たせるためでもお姉さんキャラを出したいからでもありません。「教師」がこの壁にぶつかってほしかったからなんですよ。だからこそこの言葉にはきちんとした意味がある。自分はアニメ長瀬編を見ながら、ずっとそれを追い求めてきました。

長瀬編のエンディングで、桂馬くんは彼女に理想の展開を用意します。初見でも思いましたが、これってうまく行きすぎな気がするんですよ。エルシィが言っていた奇跡的すぎるという意味ではなく、桂馬くんの用意した攻略として。ここで話は栞との対比に戻りますが、栞編は非常に放任的です。本の砦から引きずり出して、勇気をあげておしまい。もちろんこれにも理由があって、そうしなければ意味がなかったからなんですよ。結局のところ歩むのは自分の足ですわ。桂馬くんの記憶は消えますし、いつまでも他人に頼ってなどいられない。だから最後に言った栞のセリフは、栞が自ら声を絞り出して言ったものになっています。
それと比べると長瀬編は、うまく行きすぎ。体育館で生徒と仲良くなりますが、喧嘩してから仲直りに至るまで「長瀬先生は何もしてない」んですよ。桂馬くんに説教をくらっただけ。栞のように、顔を赤くして勇気を出して何かをしたわけでもありませんわ。生ぬるいとも言えますが。
ただ、桂馬くんはその後にこう言います。
「現実には理想が足りない、理想の結末が必要なんだ」
と。
つまり、このうまく行きすぎな展開にも、なにかの意図があるわけですよ。では、その意図とは何か。


「長瀬 純に生ぬるい展開を用意し、理想を見せ付けた理由は何か」。



その理由として考え付いたものが、二つありまして。まず一つは戦いの相手です。戦いのお話と何度も言いましたが……では、長瀬先生は果たして何と戦っていたのか。それは、前述した栞と比べると非常に顕著に現れます。
ま、あくまでも自論ではあるのですが、栞と長瀬先生は戦っているものが違うんですよ。
栞が戦っているのは「現実」。
長瀬先生が戦っているのは「理想」。
やっぱりここが大きく違うのかなぁと。栞の場合は、理想という名の紙の砦から引きずり出して、現実のフィールドに置きました。これから先栞は、テレパシーの通じない現実で生きていく。一方で長瀬先生の場合は、これから先もずっと理想と戦い続けなけばいけないのですよ。教師をやっている限りは。だからこそあのエンディングだったのではと思います。現実と戦うことになる栞を現実に引き込み、理想と戦い続ける長瀬先生に理想を見せた。むしろ長瀬先生は高校時代のこともありますし、現実なんてのは痛いほど知っているのかもしれません。よって、桂馬くんは長瀬先生にあのエンディングを見せたんですね。これが君の望んでいる理想だ、と。桂馬くんが現実から逃げてゲームをしているのではないか……と勘ぐったとき、長瀬先生はそれに同調しませんでした。栞と違って。長瀬先生は現実から逃げてなどいなくて、理想を見ているからこそ、現実と戦うはめになっている。階段を降りるときも登るときも、気をつけるべきは同じ足元なのです。



理想を見せたエンディングになった二つ目の理由が、桂馬くんが言った「教師だから」という言葉そのものですね。
教師というものは理想を見ていなければいけない……たとえそれがうまくいかなくとも。桂馬くんは長瀬先生にそう告げましたが、まさしくそうなんですよ。アイノヨカンが流れ終わると同時に長瀬先生がバスケゴールにシュートを決めるという素晴らしいシーンがありましたが、バスケをやるというのも同じようなものですよ。
今回の教育実習で、長瀬先生はバスケでいう「スリーポイントシュート」を無事に決めました。決めましたが、それは桂馬くんの力なんですよ。次に長瀬先生が他の学校に行って教育実習をしたときにうまく行く保障はありません。栞は一歩を歩き出しましたが、長瀬先生のそこはまだ見えていないのですから。
でも、スリーポイントを決めたことに変わりはありません。おい長瀬、すごいな、次の試合も頼むぞ―――と、なりますよ普通。でもそれってすごい嫌なことじゃないですか。長瀬先生は桂馬くんの力でエンディングを見つけたのに、次回からはそれを自分のパラメーターとして見られてしまう。自分は何もしていないにも関わらず。
次に長瀬先生がリングに上がるときに、桂馬くんはいません。それはすごく不安定にも感じますが、桂馬くんはそのエンディングを選んだのです。生ぬるい展開と言いましたが、それと同じように「テキトー」にも感じますよ。綺麗な理想を見せてあげて、はい終わり。それでいいの?と思わなくもありませんわ、自分は。
でも。
桂馬くんは長瀬先生に「お前は、教師だから」と言いました。そう、長瀬先生は教師なんですよ。だからこそ自分で歩いてかなければいけない。最初の一歩から最後の一歩まで、自分の責任のもとに歩いてかなければいけない。40人のクラスに1人で相手をするのだから、ある意味当然の話ですよ。まー潔癖なことを言えば、生徒に助言を貰っている時点で甘い!ということです。
次のゴングからは、自分ひとりで理想と戦っていかなければいけない。不安で不安定ですが、でも長瀬先生ならできるのでは……と自分は思いましたよ。今回の経験で初めて「理想に打ち勝った」わけですから、同時に「戦い続けること」の意味もしっかりと知ることができているはずです。ある意味テキトーで無責任にも見えるエンディングはきっと、桂馬くんが長瀬先生に期待しているからこそ、なのでしょう。

次回予告!
FLAG 12.0「サマーウォーズ」

ある夜、自宅で一本のゲームを手にとった桂馬。そこにいたのは、
あまりにもひどい絵で描かれたヒロイン・四葉。
何気なく手にしたそのゲームによって、桂馬のすべてが変わる?──
数多の女子を恋に落とした神、桂木桂馬。ついに彼は理想のエンディングを見ることができるのか……!?




真っ暗な中でずっと走っている。後ろについてきてくれているか分からない……でも、それでも走らないといけない。辛くて苦しいことかもしれません。それでも長瀬先生は昔も今も、きっとこれからも「理想」を掲げつづけます。走るのが怖いのならそれを降ろせばいいと、人は誰でも思います。でも長瀬先生はそうしなかった。たとえ苦しみと辛さが多くても、決して理想を緩めることはしなかった。すごいことですよ。
桂馬くんが長瀬先生を期待したのもきっと、自分と似ているからに違いありません。理想は目と同じ高さではなく、遥か上にある。そして同じく長瀬先生も、桂馬くんに自分と同じものを感じました。
「君は孤独で、冷たい人と思ってたけど……でも……」

桂馬くんが孤独に見えるのも、浮いて見えるのも、強い信念と理想があるから。全部、長瀬先生本人と同じなんですよ。最初は誤解していた長瀬先生でしたが、最後には桂木桂馬という人間をしっかりと見ることができました。これから先、先生の桂馬くんへの想いは消えてしまうかもしれません。でも、今回見せてもらった理想の結末。そして孤独でも揺ぎ無い桂馬くんの姿。理想を作り出すプロレスで、一人で戦うレスラーも同じなのです。


彼らの姿がある限り、純はあきらめたりしないですよ。カウントが幾つになろうとも……きっと。


 

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